新型肺炎株―富士フイルムがストップ高、「アビガン」がコロナに有効性と中国発表
・膵炎治療薬「ナファモスタット」取り扱い企業にも買い
・アンジェス、5営業日ぶりに反落
18日の東京株式市場で富士フイルムホールディングス<4901>がストップ高となった。中国政府が17日、新型コロナウイルスによる肺炎の治療を巡り、富士フイルムの子会社が開発したインフルエンザ薬「アビガン」の有効性を臨床研究で確認したと発表したことが材料視された。
富士フイルムはストップ高となる前日比700円(15.43%)高の5238円まで上昇し、この水準で取引を終えた。
中国・湖北省武漢市と広東省深セン市の病院で計200人の患者を対象に行われた臨床試験は、投与した患者の方が短期間に陽性から陰性になり、肺炎症状なども改善した。中国政府はアビガンを医療現場の治療に使うよう正式に推薦する方針という。
アビガンの有効成分「ファビピラビル」を巡り、2016年に富士フイルムとライセンス契約を結んだ中国の製薬大手・浙江海正薬業が、後発医薬品を量産する方針という。
富士フイルムは2月25日に5890円まで上昇し、上場来高値を更新している。厚生労働省が同月22日、新型コロナウイルスによる肺炎患者を対象に、富山化学工業(現富士フイルム富山化学)が開発したアビガンを投与すると明らかにしたことが買いを呼んだ。
また加藤勝信厚労相は22日、日本国内の医療機関でアビガンの投与を開始したと述べている。
しかしその後、株価は13日に4152円の安値を付けるまで3割近く下落した。
富士製薬
富士製薬工業<4554>は大幅続伸。日本経済新聞が16日夜、新型コロナウイルスの治療薬候補として、膵炎などの治療薬「ナファモスタット」が患者に試験投与されることが分かったと伝え、同治療薬を扱う富士製薬などが17日に上昇した。
18日もナファモスタットを巡る報道が続くなか、買いが継続した。富士製薬は一時ストップ高となり、292円(27.7%)高の1346円で取引を終えた。
同様にナファモスタットを扱う日医工<4541>は、ストップ高水準である150円(15.35%)高の1127円で引けた。
東証1部値上がり率ランキングは富士製薬が首位、富士フイルムが4位、日医工が5位。
アンジェス
マザーズ上場の創薬ベンチャーのアンジェス<4563>は5営業日ぶりに反落した。一時ストップ安となり、106円(14.64%)安の618円で終了した。
アンジェスは今月5日に新型コロナウイルス対策の予防用ワクチン開発に着手すると発表。17日には取引時間中としては19年11月以来の高値となる750円まで買われた。
ワクチン開発への着手を発表する直前の4日終値から17日高値までの株価の上昇率は75%を超え、この日は利益確定の売りが優勢となった。
アンジェスはマザーズの出来高ランキングで首位を維持している。
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