富士フイルムの株価が半年ぶり高値、アビガンをコロナ治療薬として承認申請
16日後場の株式市場で富士フイルムが一時3%超上昇した。傘下企業がこの日、インフル治療薬「アビガン」について、新型コロナ治療薬としての製造販売の承認を厚生労働省に申請したと発表した。
16日後場の東京株式市場で富士フイルムホールディングス<4901>が一時3%超上昇した。傘下の富士フイルム富山化学がこの日、インフルエンザの治療薬「アビガン」について、新型コロナウイルスの治療薬としての製造販売の承認を厚生労働省に申請したと発表した。
午後2時16分現在、前日比125円(2.34%)高の5457円で推移している。一時、3.36%高の5511円まで買われ、4月14日以来半年ぶりの高値を付けた。
今後、厚生労働省が有効性や安全性を審査し、11月にも承認される見込みという。
アビガンは富士フイルム富山化学が開発した抗ウイルス薬。新型インフルエンザの治療薬としてすでに承認されており、新型コロナに対しても治療効果が期待されている。
富士フイルム富山化学は新型コロナへの有効性を確かめる臨床試験を3月末に始めた。投薬により、症状が改善してPCR検査でウイルスが陰性になるまでの期間が2.8日短縮される効果を確認したと9月下旬に明らかにしていた。
また、これまで知られている尿酸値の上昇や肝機能の低下といった副作用以外に安全性に関する新たな懸念はなかったという。
国内ではこれまでにエボラ出血熱の治療薬として開発された「レムデシビル」が新型コロナの治療薬として承認され、またステロイド剤の「デキサメタゾン」が推奨されている。
国内の製薬会社が開発した薬としては初めての新型コロナ薬となり、富士フイルムは国内外に供給するために増産を急ぐ方針という。
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