アイロムGがストップ高、コロナワクチン治験夏にも開始との報道
・6月にも非臨床試験開始へ
・株価は年初来高値
1日後場の東京株式市場で治験支援大手のアイロムグループ<2372>がストップ高。子会社を通じて開発している新型コロナウイルス向けワクチンについて、早ければ夏にも第1相臨床試験を開始するとの報道が買い材料になっている。
午後1時半現在、前週末比500円(21.85%)ストップ高の2788円。年初来高値を更新した。値上がり率で東証1部で2位となっている。
商いは盛況。出来高は現時点で350万株を超えた。
化学業界の専門紙である化学工業日報は5月29日付で、アイロムが開発中のコロナワクチンに関して、6月にも非臨床試験を開始すると報じた。日本と中国のそれぞれで、マウスを用いた中和抗体誘導能試験などを実施するという。
それによると、非臨床試験の主な内容は中和抗体誘導能試験のほかに細胞傷害性T細胞(CTL)誘導能試験、感染防御能試験、および毒性試験。
さらに、アイロムは非臨床試験の結果を踏まえ、早ければ夏にも第1相臨床試験に入ることを考えているという。今後、当局と相談して治験のデザインなどを詰める。
AMED事業に採択
アイロムは5月20日の取引終了後に発表したリリースで、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が公募する「令和2年度 創薬支援推進事業・新型コロナウイルス感染症に対するワクチン開発」に、全額出資子会社IDファーマのコロナワクチン開発が研究開発課題として採択されたと明らかにした。
IDファーマは、国立感染症研究所、および中国の復旦大学附属上海公衆衛生臨床センターのそれぞれと新型コロナワクチンの研究開発を共同で行っている。
AMEDに採択された研究開発課題は日中両国での開発を対象にしており、ともに1億2400万円の研究開発費の交付対象になる。
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