森林火災、豪GDPを0.4%押し下げも━調査
・火災長期化なら1%までのGDP下押しも
・2月にも0.25%の追加利下げの可能性
オーストラリアの国内総生産(GDP)が大規模な森林火災により0.4%程度押し下げられる見通しだ。また、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は2月にも0.25%の追加利下げを迫られる可能性がある。金融大手AMPキャピタルが調査を発表した。
森林火災は昨年9年頃からシドニーのあるニューサウスウェールズ州を中心に多発しており、延焼面積はこれまでに1000万ヘクタールを超えた。同国の森林火災としては最大規模となる。
AMPが9日発表したリポートによると、森林火災は主に1~3月期を中心に豪州の主産業である農業や旅行業などに打撃を及ぼし、GDPを0.4%程度押し下げる見通し。
火災が長期化した場合、1%までの下押しもあり得るという。
その後は年末まで復興による活発な経済活動が見込まれ、森林火災による押し下げ分の大半が取り戻されると予想。ただ、旅行業と消費支出への悪影響が長期化した場合はこの限りではないという。
豪政府は12月、2019会計年度のGDP成長率見通しを2.25%に下方修正している。
利下げ見通し
長期化する森林火災の影響で低調な経済指標の発表が続くなか、中銀は2月の理事会で政策金利のオフィシャルキャッシュレートを0.5%に引き下げる可能性があるとAMPは予想した。
中銀は12月の理事会で政策金利を過去最低の0.75%に据え置いている。
市場は中銀による2月の0.25%の利下げを53.4%の確率で織り込んでいる。クリスマス休暇前は36%だった。
AMPはまた、中銀が恐らくは3月に政策金利を0.25%に引き下げる可能性があるとの見方を示した。
こうした見方が豪ドルの上値を抑制。対米ドルでは0.70米ドルの節目がチャート上の強い抵抗線になっている。
AMPは政府が森林火災関連で大規模な支出を迫られると予想。モリソン首相は6日、森林火災の打撃を受けた地域の復興を支援するため、今後2年間に20億豪ドルの予算を確保すると表明したが、実際にはこれを上回る支出が必要になるだろうとの見方を示した。
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