米GDP、4~6月期は年率4%減へ 通年もマイナスに━調査会社
・7~9月期も停滞、米経済はリセションへ
・21年はプラス成長を回復
調査会社のキャピタル・エコノミクスは12日、4~6月期の米国の国内総生産(GDP)を年率でマイナス4%と予想した。トランプ米大統領が11日夜、新型コロナウイルスの拡大を阻止すべく、英国を除く欧州からの外国人の入国禁止を発表したが、これに加えて米当局が今後数日のうちにさらなる対策を講じることで、経済活動は一層抑制されるとの見方を示した。
当局は今後、全国的な学校閉鎖や大規模な集会の禁止、地域封鎖といったより積極的な施策を導入するとみられるという。
4~6月期のマイナス成長に続き、米経済は7~9月期も停滞するとキャピタル・エコノミクスは予想した。2四半期連続のマイナス成長は、リセッション(景気後退)に該当する。
多くの金融機関や調査会社が4~6月期以降の成長率予想を引き下げたが、キャピタル・エコノミクスの見通しは最も悲観的な部類に属する。
経済活動がこれほど落ち込むとすれば、2008~09年の金融危機以来のことになる。米GDPは08年10~12月に8.4%のマイナス成長に陥り、続く09年1~3月期も4.4%縮小した。
もっとも、大胆な措置を講じることで、国民の3分の1がコロナウイルスに感染してリセッションが長期化するとの最悪のシナリオが実現する確率を低減できるとキャピタル・エコノミクスは指摘する。
キャピタル・エコノミクスは20年の米GDP予想を従来のプラス1.8%からマイナス0.6%に引き下げた。一方、ウイルスの蔓延を抑制する施策が功を奏すとの見方を前提に21年はプラス成長を取り戻すと予想した。
NY州は500人超の集会禁止へ
米国の一部地域は新型コロナウイルス対策として、すでに踏み込んだ施策を導入している。ニューヨーク州のクオモ知事は12日、500人以上のイベントの開催を13日午後5時以降禁止すると発表した。ブロードウェーの公演には12日午後5時から適用している。
また、知事はこれに先立ち、新型コロナウイルスの感染者が急増している同州ウエストチェスター郡ニューロシェルに半径約1.6キロの封じ込め地域を設定。25日まで学校や礼拝所などが閉鎖となり、住民への食料運搬のために州兵が派遣された。
ダウ、過去最大の下落幅
12日の世界の株式市場では株安が加速。米国による欧州からの入国禁止措置に伴う経済活動への打撃が嫌気された。
ダウ平均株価は前日比2352.60ドル安となり、下落幅は過去最大となった。下落率も9.99%と、金融危機時の08年10月15日の7.87%を上回り、1987年10月19日のブラックマンデーの際の22.61%以来の大きさとなった。(参照記事:株価の調整局面とは?)
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。