金価格が最高値更新、米中の対立激化やドル安で
金価格が過去最高値を更新した。米中対立の激化やドル安、コロナ感染の再拡大などが背景にある。
ニューヨーク商品取引所（COMEX）の金先物が日本時間27日の時間外取引で過去最高値を更新した。米中対立の激化やドル安、新型コロナウイルス感染の再拡大などが背景にある。
COMEXで取引の中心である8月限は27日午前遅くに1トロイオンス＝1938ドルまで上昇。2011年9月6日に付けた中心限月としての従来の最高値1923.7ドルを突破した。
金は24日の通常取引を前日比7.5ドル（0.4％）高の1897.5ドルで終了。24日まで6日続伸している。
米中の対立は互いに在外公館を閉鎖するにまで激化した。中国外務省の発表によると、米国は27日午前、四川省成都市にある総領事館を閉鎖した。中国当局は接収をすでに終えたという。
これより前、テキサス州ヒューストンにある中国総領事館が米政府の要求に基づき閉鎖されている。
27日の外国為替市場では米中対立などを受けてドルが売られる展開。ドルは対円で一時、3月中旬以来の安値水準となる105円台半ばまで下げた。
また、欧州連合（EU）が先週、7500億ユーロの欧州復興基金で合意したことでユーロ圏の景気回復期待が強まるなか、ユーロが対ドルで急伸。18年以来となる1.17ドル台に乗せている。
国内でも最高値
金は国内商品先物市場でも最高値を更新した。中心限月の21年6月限は1グラム＝6594円まで買われ、中心限月としての最高値を付けた。
国内地金商最大手の田中貴金属工業が公表する金地金の小売価格は27日午前9時半時点で過去最高値の7230円（税込み）となった。
金価格の見通し
金にとって好材料が揃うなか、市場では価格の上昇継続を見込む声が多い。ゴールドマン・サックスは最近、目標を2000ドルに引き上げている。
またエディソン・インベストメント・リサーチは、米マネタリーベースの拡大を理由に3000ドルまでの上昇もあり得ると分析している。
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