金がドルの準備通貨としての地位脅かす━ゴールドマン
ゴールドマンは、長期に及ぶドルの準備通貨としての地位に対して懸念が生じ始めていると指摘する。
世界の準備通貨であるドルは、その地位を金に取って代わられるかもしれない。ゴールドマン・サックスが予想した。
マーケットウオッチがゴールドマンのリポートを引用して伝えたところによると、米連邦準備制度理事会（FRB）のインフレ・バイアスへの潜在的なシフトや地政学的な緊張の高まり、米国内の政治的・社会的な不透明感の増大、さらにはコロナ第2波の到来による一層の財政支出などがドルの直面するリスクだ。
ゴールドマンは、長期に及ぶドルの準備通貨としての地位に対して懸念が生じ始めていると指摘する。
これらのリスクを背景に、より古くからある価値保蔵手段に投資家の目が向けられる可能性があるという。金だ。
ゴールドマンは、金は長らくラストリゾート通貨とみなされてきたとし、とりわけ現在のように、政府が法定紙幣の価値を低下させ、実質金利を過去最低水準にまで押し下げているような環境ではそうだと述べた。
また、インフレヘッジとしてのコモディティや株式の保有は、インフレが発生し始める公算の大きい将来の時点で行うよりも、現時点で行う方がずっと安価に行えるであろうとし、現時点ではインフレリスクは低いままだが、足元における通貨価値の低下と債務の累積は将来のインフレリスクの原因になるとの見方を示した。
ゴールドマンは金の1年後の目標水準を1トロイオンス＝2300ドルとし、従来の2000ドルから引き上げた。
28日のニューヨーク商品取引所（COMEX）で金先物相場は8日続伸。8月限は前日比13.6ドル（0.7％）高の1944.6ドルで取引を終えた。これに先立つ時間外取引で一時、1974.7ドルと過去最高値を連日で更新している。
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