ユニゾHD株が3年2カ月ぶり高値 TOB価格引き上げを期待
・いちごアセットマネジメントが5.56%保有
・株価一時6%高
20日の東京株式市場で不動産会社のユニゾホールディングス(HD)<3258>が急反発し、約3年2カ月ぶりの高値を付けた。TOB(株式公開買い付け)価格引き上げへの期待が株価上昇の背景にあるもよう。この日は投資顧問会社いちごアセットマネジメントによるユニゾ株の大量保有が明らかになっている。
終値は前日比225円(5.51%)高の4305円。いちごアセットマネジメントの届け出が開示された午後2時過ぎに一段高にとなり、引け間際に6%高の4325円まで買われた。これは2016年6月以来の高値に相当する。
ユニゾHDは16日、ソフトバンクグループ<9984>傘下の投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループのサッポロ合同会社が1株4000円で行うTOBに賛同すると表明した。これより先、旅行大手エイチ・アイ・エス<9603>から1株3100円での敵対的TOBを受けている。
TOB期間はHISが23日まで、サッポロは19日から10月1日までを予定している。
ユニゾHD株は終始、サッポロが提示したTOB価格4000円を上回る水準で推移した。株価は同社が保有する資産に比べると割安で、HISもサッポロもTOB価格を引き上げる余地があるとみた投資家が買いを入れているもよう。
いちごアセットマネジメントは20日、関東財務局に提出した大量保有報告書で、共同保有分を含めユニゾHD株を5.56%保有していることを明らかにした。報告義務発生日は13日。保有目的を「純投資」のほか「複数のTOBのプロセスを、個人株主等少数株主保護の観点からモニタリングするため」としている。
また、米投資会社エリオット・マネジメントも13日時点で共同保有分も含めユニゾHD株を9.90%保有していることが14日提出した変更報告書で明らかになっている。物言う株主(アクティビスト)として知られるエリオットは保有目的を「投資」としつつ、「状況に応じ、建設的な対話(エンゲージメント)や助言、重要提案行為などを行う可能性もある」としている。
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