ユニゾHD株を「物言う株主」米エリオットが買い増し HISによるTOB最中
・ユニゾHD、3年ぶり高値
・HISは年初来安値
米投資会社エリオット・マネジメントが不動産会社ユニゾホールディングス(HD)<3258>株式の保有比率を7.71%から8.79%に引き上げたことが明らかになった。13日受付で関東財務局に変更報告書を提出した。
株券等保有割合の1%以上の増加が報告書の提出理由。報告義務発生日は9日。保有目的を「投資」としつつ、「状況に応じ、建設的な対話(エンゲージメント)や助言、重要提案行為などを行う可能性もある」としている。エリオットは「物言う株主(アクティビスト)」として知られる。
エリオットは6日に大量保有報告書を提出し、5日時点で共同保有者とともにユニゾHD株5.51%を保有していることを明らかにした。これ以降、6.62%、7.71%と段階的に保有比率を引き上げてきた。
また、野村証券も7日に大量保有報告書を提出。7月31日時点で共同保有者とともにユニゾHD株5.08%を保有していることを明らかにした。
HIS、ユニゾHDにTOB
ユニゾHDを巡っては旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)<9603>が7月、TOB(株式公開買い付け)を実施している。TOBの価格は1株3100円で、買い付け期間は7月11日から8月23日までの30営業日。TOBで約4割のユニゾHD株を取得し、保有比率を4.79%から最大45%に引き上げる計画。
HISは3月末時点でユニゾHDの筆頭株主。
ユニゾHDの取締役会は8月6日、TOBへの反対の意見を表明。HISが資本関係の強化をてこにホテル事業などで協業を図る考えなのに対し、シナジー創出は期待できないと結論付けた。TOBの価格も適正な企業価値を反映していないと主張した。
ユニゾHDは旧日本興業銀行系の不動産会社でホテルを運営している。
HISのTOBが敵対的買収に発展するなか、ユニゾHDは子会社が保有する含み資産の大きい東京・銀座などの不動産を国内企業に次々と売却。HISの買収妙味を薄める作戦との見方がある。
買収提案なら特別委で諮問
さらにユニゾHDは11日、複数の候補者から提案を受ける可能性があるため、具体的な提案がある場合は7月に設置した特別委員会で提案について諮問すると発表した。
新たな買収提案が発表されれば、TOBの価格の引き上げにつながるとの思惑から週明け13日、ユニゾHD株は一時、10.44%高の3755円まで上昇。年初来高値を更新するとともに約3年ぶりの高値を付けた。終値は前週末比320円(9.41%)高の3720円。
一方、HISは48円(1.94%)安の2422円で引けた。香港国際空港の空港業務停止といったマイナス要因もあり、一時、2.23%安の2415円まで売られて年初来安値を更新した。
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