アンジェスが商い伴い続伸、新型コロナワクチン開発で慶大発HMTと提携
・1~3月期、営業赤字が拡大
・「コラテジェン」売上高は500万円
28日後場の株式市場でマザーズ上場の創薬ベンチャーのアンジェス<4563>が商いを伴い続伸している。営業赤字の拡大を受け、朝方は売りが先行した。その後は前日終値付近でもみ合う展開が続いたが、後場では買い優勢で推移。開発中の新型コロナウイルス感染症向けのワクチンに関して、慶応大学発バイオベンチャーと提携したことなどが材料になった。
午後1時43分現在、前日比16円(1.37%)高の1183円で推移している。朝方、4.66%安の1115円まで売られた。
アンジェスは24日に1235円まで上昇し、年初来高値を更新。ワクチン開発への着手を発表する前日3月4日の終値からの上昇率は約290%となった。決算発表を受け、ひとまず利益を確定する動きが広がった。
出来高は午後1時20分時点で2400万株を超え、東証全体のランキングで5位につけている。マザーズではトップ。
27日の取引終了後に発表した2020年1~3月期連結決算は営業損益が9億7400万円の赤字(前年同期は9億1800万円の赤字)と、赤字幅が拡大した。
アンジェスが開発し、昨年9月に発売した国内初の遺伝子治療薬「コラテジェン」の製造販売後承認条件評価に係る費用、および投資案件に係る費用の発生で、支払手数料が3900万円増加するなど、販管・一般管理費が前年同期比30%余り増加したことが響いた。
コラテジェンの売上高は500万円。同薬は手足の血管が詰まって血流が乏しくなり潰瘍ができる「慢性動脈閉塞症」の患者に対し、新しい血管をつくる遺伝子を注入して血行を改善する。
ワクチン開発
アンジェスは27日、大阪大学などと共同で開発している新型コロナ感染症向けのワクチンについて、ワクチン接種後の代謝変動解析において慶大発企業のヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)<6090>が新たに参画することが決定したと発表した。
アンジェスとHMTは、HMTが保有するメタボロミクス技術を用いて、ワクチン接種後の生体内の経時的な代謝変動を分析する。さらに、ワクチンの有効性等の評価指標となるバイオマーカーの探索を共同で進めるという。
HMTは買い気配。2013年12月にマザーズに上場している。
アンジェスは、現在実施している動物試験の進捗が順調なことなどから、厚生労働省と協議してワクチンの臨床試験を前倒しする方針を固めたと伝えられている。当初の9月開始の予定を1カ月程度早めるもようだ。
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