レオパレス取締役全員解任を村上氏が要求との報道 ガバナンス欠如で
・村上氏率いるレノが株主提案
・臨時株主総会開催を請求
賃貸アパート大手レオパレス21<8848>の大株主である投資会社レノが27日、ガバナンスの欠如を理由に取締役全員の解任求める提案をレオパレスに行った。同日の取引終了後に日本経済新聞が伝えた。レノは「物言う株主」として知られる村上世彰氏が実質的に率いているとみられる。
報道によると、レノはレオパレスの宮尾文也社長ら取締役10人全員の解任を提案した。レノは全取締役解任のほかに、レノの取締役を含む3人の取締役就任も要求する。11月以降、取締役は大株主が推薦する社外取締役が過半とするよう面談などで求めてきたが、レオパレスが応じずに株主提案に踏み切ったという。
ほかに、業績回復計画の策定ができないことや、投資用アパートの施工不良問題の解決に時間を要していることも要因になった。
レノは株主提案を決議するための臨時株主総会の開催を請求したという。臨時株主総会は招集請求書を受け取った日から8週間以内の開催が求められる。3%以上の議決権がある株式を6カ月以上保有する株主は、株主総会の招集を求めることが可能だ。
レオパレスは16日、2020年6月開催予定の定時株主総会において取締役の過半数を社外取締役とする議案を提出する方針を決定したと発表しており、レノの全員解任の提案には反対する見通しという。
レオパレスは施工不良問題の発生を受け、5月に創業家の深山英世氏が社長を引責辞任し、後任に宮尾氏が就任していた。
ファンド大株主
レノは関東財務局に提出した大量保有報告書で、11日時点のレオパレス株式の保有比率を14.46%と明らかにしている。
レノのほかにアルデシアインベストメントとオデイ・アセット・マネジメントといった内外もファンドも大株主に名を連ねる。
当局への最新の報告書によると、レオパレス株の保有状況は国内運用会社のアルデシアが16.10%、英オデイが14.34%。レノを含めた3社のレオパレス株の保有比率は全体の4割を大きく超える。
レオパレスが施工不良問題を解決できずにいることで、2社も経営陣に不満を持っているとされる。これらがレノの提案に賛成すれば、取締役全員の解任議案が通る可能性は十分にある。
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