テラ、コロナ治療薬の米薬事承認申請準備で代理契約 治験7月末終了へ
・1~3月期営業損益は赤字幅縮小
・株価、朝方に年初来高値
新型コロナウイルス感染症向けの治療薬の臨床試験をメキシコで実施している創薬ベンチャーのテラ<2191>とセネジェニックス・ジャパンが9日、治験結果に基づく新薬を米国とメキシコで薬事承認申請するべく、申請準備のための代理契約を結んだ。セネジェニックスが発表した。
テラとセネジェニックスはメキシコで臍帯由来幹細胞治験を75人(うち25人はコントロール)、子宮内膜由来幹細胞治験を30人を対象に行っている。
このうち、子宮内膜由来幹細胞の治験は6月末までに完了する見通しであり、早ければ7月上旬にメキシコでの薬事申請が可能になるという。
臍帯由来間葉系幹細胞の治験は7月末までに終了する予定。
セネジェニックスによると、申請代理契約は米国法人のセネジェニックス・グローバル、およびメキシコ法人のエリート・ヘルス・メキシコと締結した。
東京大学医科学研究所を発祥とするバイオベンチャーのテラは、免疫の力を使ってがんを治療する独自の技術である樹状細胞ワクチン療法を提供する。
テラは4月27日、セネジェニックスと新型コロナ感染症に対する間葉系幹細胞を用いた治療法の共同研究契約を締結したと発表し、新たなコロナ関連銘柄として注目を浴びた。
遺伝子や細胞などを用いた先端医療支援を手掛けるセネジェニックスは、テラの株式を122万8000株保有する。
株価は年初来高値
9日の株式市場でジャスダック上場のテラは続伸している。午後2時23分現在は前日比17円(0.93%)高の1845円で推移している。
8日発表の決算内容を好感して、序盤に2175円の年初来高値を更新した。2020年12月期第1四半期(20年1~3月)の営業損益は前年同期比で赤字幅が縮小した。
その後、いったん利益確定の売りに押されてマイナス圏に沈んだが、午前10時の前述のコロナ治療薬に関するニュースの発表により、再び買いが優勢になった。
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