メディシノバが反発、「MN-166」のALS適応でカナダが特許承認
・株価、一時3.8%高
・前日は上場廃止懸念で一時ストップ安
29日前場の株式市場でジャスダックに上場する創薬ベンチャーのメディシノバ<4875>が反発。カナダでALS(筋萎縮性側索硬化症)を適応として出願中の特許に対し、同国知的財産局から承認の通知があったと発表したことが買い材料になったもよう。
午前11時29分現在、前日比18円(2.26%)高の813円を付けている。一時、3.77%高の825円まで買われた。
メディシノバは28日の取引終了後にリリースを発表し、カナダの知的財産局から新薬候補「MN-166(イブジラスト)」のALSを適応とする特許承認の通知があったと明らかにした。この特許はALSの治療のためのMN-166の広範囲の一日用量の経口剤を対象とし、少なくとも2028年7月までをカバーするという。
同社によると、今回の承認が19年12月期業績に与える影響は軽微とみられる。
上場廃止懸念
メディシノバは28日の取引で一時、値幅制限の下限(ストップ安)まで売られた。同日発表した修正後の2019年12月期業績見通しで営業赤字予想を継続し、上場廃止懸念が再び高まったことが背景にあった。
東証は今年6月、メディシノバ株について15年12月期から18年12月期までの直近4期連続で営業赤字だったこと、また4期連続で営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスだったことを理由に、ジャスダック市場からの上場廃止の猶予期間に入ったと発表していた。
19年12月期の猶予期間に営業利益と営業キャッシュ・フローがいずれもマイナスである場合、同社株はジャスダック市場の上場廃止基準に抵触し、上場廃止となる。
MN-166
ALSの適応症に対するMN-166は米食品医薬品局(FDA)からオーファンドラッグの指定、ならびにファストトラックの指定を受けている。さらに、欧州委員会からオーファンメディカルプロダクトの指定を受けている。
MBC日興証券は18日、MN-166について進行型多発性硬化症(MS)とALSを対象にした探索的試験での有効性と安全性データがいずれも有望であるとみており、展開に期待していると評価した。
またSMBC日興証券は、メディシノバが仮にジャスダックを上場廃止になった場合でも、米ナスダックでの上場は維持されると指摘した。米カリフォルニア州に本社を置くメディシノバは、05年2月に大証ヘラクレス(現・ジャスダック)に上場。ナスダックにも上場する。
28日の米株市場でメディシノバ<MNOV>は0.12ドル(1.57%)安の7.52ドルで引けた。
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