豪次回利下げ予想をNABが10月に前倒し 豪ドル軟化
・NAB、10月と12月に予想を前倒し
・豪大手行すべてが10月の利下げを予想
20日の外国為替市場でオーストラリアドルが主要通貨に対して軟化している。豪銀大手ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)がこの日、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)の利下げ時期の見通しを10月と12月に前倒ししたことで豪ドルが売られた。
豪ドルの対円相場は朝方の74円台半ば付近から押され、一時74.20円を割り込んだ。
豪ドルの対米ドル相場は0.6780米ドルを下回る水準まで下落。今月4日以来約半月ぶりの安値を付けた。
NABはこれまで利下げ時期を11月と2月と予想していた。同行のエコノミストは、所得税減税の効果が小さくなり、家計部門で増大している脆弱性を相殺できていないとし、「従来は財政政策による一段の支えを予期していたが、目先はそうしたことは起こりそうにない」とし、「より早期の利下げに対する緊急性が増していると考える」との見方を示した。
NABは10月と12月の2度の利下げにより、政策金利のオフィシャルキャッシュレートは0.5%まで引き下げられると予想した。
同様にシティもこの日、利下げ時期の予想を11月から10月に前倒しした。
19日発表となった8月の同国雇用統計で失業率が5.3%と前月の水準を上回ったことや、フルタイム就業者数が前月比1万5500人減少したことで、金利先物市場が織り込む10月の0.25%の利下げ確率は80%まで上昇している。
19日には豪コモンウェルス銀行(CBA)が雇用統計を受け、利下げ時期の予想を11月から10月に前倒ししていた。
ウエストパック銀行やオーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・グループ(ANZ)などの同国大手行も10月の利下げを見込んでいる。
経済協力開発機構(OECD)が19日公表した最新の経済見通しで、2019年のオーストラリア経済の成長率を0.6ポイント引き下げて1.7%としたことも、市場の早期利下げ期待に拍車をかけたとみられている。
中銀の次回理事会は10月1日に開催される。今月3日の会合ではオフィシャルキャッシュレートを過去最低の1%に据え置いた。
AUD/JPY 5分足チャート (出所: IG証券)
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