出光など石油株高い、米中協議開催を好感
・米中協議、10月開催へ
・NY原油が4.3%高
5日の東京株式市場で出光興産<5019>など石油関連株が高い。午前中に米中両国が貿易協議を10月に開催することで合意したと発表し、リスクオフが和らいだ。さらに、4日のニューヨーク原油先物相場の急反発も原油相場に連動性の高い銘柄の買いにつながった。
出光の終値は前日比90円(3.21%)高の2897円。
コスモエネルギーホールディングス<5021>は62円(3.25%)高の1968円、ENEOS Holdings Inc<5020>は9.5円(2.14%)高の452.5円で取引を終えた。
中国商務省はきょう、10月の米中貿易協議開催を正式に発表した。中国の劉鶴副首相が午前中、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表やムニューシン米財務長官と電話で会談し、9月初めにワシントンでの開催を予定していた米中閣僚協議を10月初めに先送りすることで合意した。
中国景気
4日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)ではWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の10月限が3営業日ぶりに反発した。中国の景気減速に対する過度な懸念の後退が背景にあった。終値は前日比2.32ドル(4.3%)高の1バレル=56.26ドル。その後の時間外取引では通常取引終値の付近で一進一退で推移している。
4日に財新/マークイットが発表した8月の中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.1と3カ月ぶりの高い水準となった。PMIは50が拡大・縮小の節目となる。
英政局
また、10月31日に英国を合意なしで欧州連合(EU)から離脱させようとするジョンソン首相の動きを阻止する法案を同国議会下院が可決したことも、リスク要因を後退させる動きとして原油市場で好感された。
さらに4日の外国為替市場でユーロ高・ドル安が進み、ドル建てで取引される原油に割安感が生じたことも原油の買いにつながった。ユーロは3日の欧州市場で一時1.0926ドルと2017年5月以来約2年4カ月ぶりの安値を付け、その後反発している。
米エネルギー情報局(EIA)が5日に発表する週間の米石油在庫統計で、8月30日までの週の原油在庫が約300万バレル減ると市場で予想されていることも相場を支援した。
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