パラジウムが最高値更新 需給が構造的に逼迫との見方
・COMEX・東商取ともに最高値
・排ガス規制強化が需要増に貢献へ
貴金属パラジウムの価格が急伸している。著名アナリストが14日、パラジウムの需給の構造的な逼迫を予想したことで買いが促されたもよう。
先物の指標となるニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心の2020年3月限は14日の通常取引で続伸し、前日比44.20ドル(2.13%)高の1トロイオンス=2123.30ドルで終了。終値で過去最高値を更新した。
その後の時間外取引で、これまでに2142.00ドルまで上昇している。
英金融大手HSBCのチーフ貴金属アナリスト、ジェームズ・スティール氏はリサーチノートで「パラジウムに関して需給の構造的な逼迫を予想する。相当な規模だ」との見方を示した。
同氏は「自動車(触媒)向け需要の旺盛な需要により市場はタイトな状態を維持するだろう」とし、「世界的な排ガス規制強化が、自動車触媒向けのパラジウム需要の相当な増加を示唆している」と指摘した。
供給懸念
需要の増加が予想される反面、供給は滞りをみせている。世界のパラジウムの約40%を生産する南アフリカで昨年、大雨と洪水による発電設備の障害が発生。主要な鉱山会社に大規模な電力消費制限がかけられ、操業が滞っている。
南アの国営電力会社エスコムは12月に国内送電網で実施した輪番停電措置をすでに解除しているものの、その後も不安定な送電が続いている。
さらに、南アがかねてから不採算のプラチナ鉱山の閉鎖を進めていることもパラジウムの需給逼迫の一因。パラジウムは主にプラチナなどの副産物として生産される。
国内市場
15日の国内市場でもパラジウムは続伸した。
東京商品取引所で取引の中心の20年12月限は前日比161円(2.27%)高の1グラム=7259円で取引を終了。一時7270円まで買われ、中心限月としての最高値を更新した。
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