パラジウム、来年以降上値重くなる可能性も 触媒をプラチナで代替の動き
・パラジウム価格、プラチナの2倍超
・ロシア、パラジウムを新たに売却も
貴金属パラジウムの価格が自動車触媒向けの旺盛な需要を受けて過去最高値を更新している。こうしたなか、自動車メーカーは材料の一部のパラジウムからプラチナへの切り替えを余儀なくされている。このままいけば、パラジウム相場の上値が2021年以降に重くなる可能性があると一部の市場関係者は指摘する。
先物の指標となるニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心の20年3月限は22日の通常取引で大幅に反発し、前日比102.90ドル(4.61%)高の1トロイオンス=2335.60ドルで終了。終値で過去最高値を更新した。
その後の時間外取引で、これまでに2427.00ドルまで上昇している。
一方、プラチナ先物で取引の中心の20年4月限は22日の通常取引を13.80ドル(1.37%)高の1トロイオンス=1021.30ドルで終えた。
足元でパラジウム価格はプラチナの2倍を大きく上回っており、自動車メーカーによるパラジウムからより安価なプラチナへの材料の切り替えが進む可能性があると米金融大手シティのアナリストは指摘する。これはパラジウムの上値抑制要因になり得る。
パラジウム価格が過去1年間に80%超上昇したことで自動車メーカーが要したコストは総額180億ドルに達するとシティは推定する。
シティによると、ガソリン車においては今後1年半から2年でパラジウムの25%がプラチナに切り替えられる可能性があり、またこうした動きはすでに進行中だ。
この動きは21年に相場に緩やかに影響を及ぼし始め、22年以降は大きく影響する可能性があるという。
シティのアナリストは、現行の価格水準でパラジウムに対して強気であり続けることに関して、リワードがリスクを上回るとの確信はないと表明している。
生産国ロシアの動き
さらに、パラジウムの一大生産国のロシアによる戦略備蓄からのパラジウムの新たな放出が相場にとっての脅威になるだろうとシティは指摘する。
スコシアバンクによると、ロシアの主要鉱山会社ノリリスクは、16年に設立したパラジウム投資ファンドのグローバル・パラジウム・ファンドから17年と18年にそれぞれ100万オンスのパラジウムを供給した。
23日の東京商品取引所でもパラジウムは大幅に反発した。取引の中心の12月限の終値は325円(4.15%)高の8151円。23日未明の時間外取引では一時8426円まで上昇し、21日に付けた中心限月としての最高値7949円を更新した。
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