豪ドル、安値から戻す 中銀が金利据え置く
・「必要であれば金融政策さらに緩和」と表明
・7月豪小売売上高は予想割れ
オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は3日の理事会で大方の予想どおりに政策金利を据え置いた。外国為替市場では理事会の結果発表後、オーストラリアドルの対円相場が昼すぎに付けた安値から戻している。
中銀は午後1時半、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の1%に据え置くと発表した。中銀は6月と7月に2会合連続で利下げを実施。8月の理事会では金利を据え置いた。
中銀は声明で「インフレ圧力は依然抑制されており、この状態が当面続く可能性が高い。総合インフレ率も基調インフレ率も2020年が2%弱、21年は2%若干上回る水準と見込まれる」と指摘。
また「シドニーとメルボルンなどで中古住宅市場の回復の兆しがある。対照的に住宅建設は弱まっており、住宅ローンの伸びは引き続き低い水準にある」との見方を示した。
その上で「失業率を引き下げ、インフレ目標に向けたより確実な進展を達成するために、長期間の低金利が必要になると予想するのは理にかなう。理事会は労働市場などの動向を引き続き監視し、経済の持続的成長と長期的なインフレ目標の達成を支えるために必要であれば金融政策をさらに緩和する」と表明した。
金利先物市場では、中銀が10月に0.25%の利下げを実施する確率がやや低下し、62%程度となっている。
7月の豪小売売上高
豪ドルの対円相場は昼すぎにかけて71.10円付近まで下落。8月26日以来の安値を付けた。午前10時半発表の7月の豪小売売上高が市場予想を下回ったことが豪ドルの売りにつながった。ただ、この水準で踏みとどまると、中銀理事会の結果発表を受けて71円台半ばに向けて上昇した。ただ、4~6月期国内総生産(GDP)発表を翌日に控え、積極的な商いは手控えられた。
豪連邦統計局が発表した7月の小売売上高は前月比0.1%減。市場は0.2%増を予想していた。衣料、アクセサリー、百貨店の売り上げが不振だった。
また、統計局が同時刻に発表した4~6月期の豪経常収支は59億豪ドルの黒字。1975年6月以来の黒字となった。市場予想は15億豪ドルの黒字だった。石炭と鉄鉱石の価格上昇が黒字に寄与した。
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