豪ドル、一時71円台 ファーウェイ報道で売られる
・米、ファーウェイとの取引再開許可決定を延期か
・豪中銀、追加緩和示唆
9日午前の外国為替市場でオーストラリアドルが主要通貨に対して急落する場面があった。米ホワイトハウスが、米国企業による中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)との取引再開の許可決定を先送りしていると報道で、米中貿易摩擦の激化が懸念された。
しかしその後、豪ドルは下落前の水準まで買い戻された。
豪ドルの対円相場は早朝、それまでの72円台前半から急落。71.70円付近で下げ止まり、ほどなく72円台を回復した。
ただ、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)がこの日発表した四半期金融政策報告で追加緩和を示唆し、豪ドルの上値を抑制した。
米中貿易摩擦
ブルームバーグが日本時間9日午前6過ぎに関係者の話として伝えたところによると、中国が米国産農産物の購入を停止したことが、ファーウェイとの取引再開の許可決定を先送りした理由。
米商務省が5月、安全保障の観点からファーウェイを輸出禁止措置の対象リストに加えて以来、米企業はファーウェイへの製品供給において特別の許可を取得する必要がある。
トランプ米大統領は6月、中国の習近平国家主席と大阪で会談し、貿易戦争の休戦で合意した。この際、中国が米農産物の購入を増やすことを条件に、ファーウェイに対する規制を緩和する見通しを示していた。
中銀四半期報告
豪中銀は同10時半に四半期金融政策報告を発表。労働市場を引き続き注視し、持続的な経済成長とインフレ目標の達成を支援するために必要であれば政策を一層緩和する用意があると表明した。
中銀は6月と7月に利下げを実施し、政策金利のキャッシュレートは過去最低の1%まで引き下げられた。政策はすでに緩和的であったが、失業率改善の迅速な進展とインフレ目標の達成に向けた環境醸成を追加緩和が支援すると判断したという。
一方、現状を考えれば、雇用とインフレの目標を達成する上で、低金利が長期間続くとの予想は妥当との認識を示した。
また国内総生産(GDP)成長率について2019年、20年、21年の見通しをそれぞれ約2.5%、2.75%、3%と予想。金利引き下げや最近の税政策などがGDPの伸びを支援するとの見方を示した。
AUD/JPY 5分足チャート (出所: IG証券)
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