豪ドル下落、73円台前半 米下院の香港人権法案可決に中国報復示唆
・米上院でも超党派の支持
・豪ドル、英の「合意なき離脱」回避観測で夜間に上昇
16日午前の外国為替市場でオーストラリアドルが対円で下落。米下院が香港人権・民主主義法案を可決したことに対し中国が報復を示唆していると伝わり、リスク資産の豪ドルが売られる展開となった。
豪ドルの対円相場は15日の欧州市場で一時73円台後半に上昇。英国の欧州連合(EU)離脱に関して「合意なき離脱」を回避できるとの観測が浮上し、ポンドやユーロが円に対して上昇。この流れが豪ドルの対円相場の上昇に波及した。その後、アジア市場の朝方にかけて73円台半ば付近で小刻みに推移した。
一方、日本時間午前9時半過ぎ、米下院が香港人権・民主主義法案を可決したことに対し、中国外務省が声明で同法案を成立させた場合は強力な措置を講じると表明したことが伝わると、豪ドルが売られる展開に。一時、73.10円を割り込み、その後もこの日の安値圏で推移している。
豪ドルの対米ドル相場もまた、この報道の後に0.67米ドル台前半まで下落して4営業日ぶりの安値を付けた。
香港人権法案
米国の香港人権・民主主義法案は、香港が中国から十分な自治を確保しているかの検証を毎年義務付け、香港の基本的自由と自治が損なわれた場合、その責任を負う当局者に制裁を科すと規定する。
下院は同法案を15日に可決。上院にも同じ内容の法案が提出されており、超党派の支持を得ている。法案の成立にはトランプ大統領の署名が必要となる。
NZドル
午前6時45分にニュージーランド政府が発表した7-9月期の消費者物価指数(CPI)は前期比0.7%上昇。市場予想の0.6%上昇を上回った。
また前年比でも1.5%上昇し、予想の1.4%上昇を上回る伸びを示した。
これを受けて、ニュージーランドドルの対円相場は68円台後半まで買われ、3営業日ぶりの高値を付けた。ただ、その後は豪ドルの下げに歩調を合わせ、68円台前半まで売られている。
AUD/JPY 5分足チャート (出所: IG証券)
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