ロートが年初来高値、コロナ治療で幹細胞用いた治験へ
・今月末に治験届提出へ
・脂肪組織由来幹細胞を投与
23日の東京株式市場でロート製薬<4527>が反発。新型コロナウイルス感染症による重症肺炎を対象とした他家間葉系幹細胞を用いた再生医療の臨床試験計画を進めていると発表したことが材料視され、一時、年初来高値を更新した。
終値は前日比20円(0.58%)高の3450円。治験計画を発表した後場で一段高となり、2.19%高の3505円まで買われた。
出来高は42万5500株で今月11日以来の高水準。
治験ではヒトの脂肪から培養した他家脂肪組織由来間葉系幹細胞「ADR-001」を新型コロナ感染症による重症肺炎患者に投与し、その安全性を確認する。
予定症例数は6例。治験の実施予定期間は20年8月~12月で、今月末に治験届を提出する予定という。
新型コロナ感染の重症化には、感染者の免疫細胞がウイルスと戦うために作るサイトカインが制御不能となって放出され続ける「サイトカインストーム」と呼ばれる現象が関わっているとされる。
ロート製薬によると、同社が創製したADR-001は、炎症性サイトカインの産生抑制をインビトロでの研究において確認するなど、感染性の炎症に対する効果を確認している。
国内メディアが今月10日、ロート製薬によるコロナ患者に対する再生医療の治験実施計画を報じたことで、株価は11日に4%超上昇。また、11日の出来高は57万株を超えた。
ロート製薬の脂肪組織由来間葉系幹細胞に対し、現在、創薬ベンチャーのテラ<2191>がメキシコで実施している治験は臍帯血由来、および子宮内膜由来の間葉系幹細胞を用いている。
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