米スラックが上場来安値更新 マイクロソフト「Teams」との競争重荷に
・初値から48%下落
・ソフトバンクGが出資
11日の米株式市場でビジネス対話アプリ「Slack(スラック)」を展開するスラック・テクノロジーズ<WORK>が6月の直接上場(ダイレクトリスティング)以降の最安値で取引を終えた。マイクロソフトの製品との競合が重荷になるとの見方が背景にある。
スラックにはソフトバンクグループ<9984>傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)が7.3%出資している。
11日のスラックの終値は前週末比0.37ドル(1.8%)安の20.13ドル。終値ベースでのこれまでの上場来安値は6日に付けた20.14ドル。3営業日ぶりに更新した。
初値の38.50ドルからは47.7%下落した。
ウェドブッシュ・セキュリティーズは7日付のリポートで、スラックについて目標株価14ドル、投資判断「アンダーパフォーム」で調査を開始したことを明らかにした。
同社アナリストのダニエル・アイブス氏はマイクロソフト<MSFT>との競争を指摘。スラックのソリューションは印象的で強力な成長機会を持つものの、「Microsoft Teams(マイクロソフト チームズ)」が大きなハードルになり、浸透は徐々に難しくなると予想した。その上で、チームズの脅威により、市場が予想するよりも早期にスラックの成長は鈍化する可能性があるとの見方を示した。
Teams(チームズ)
チームズはマイクロソフトのクラウドサービス「オフィス365」に含まれるビジネス対話ツール。マイクロソフトはこの夏、無償版の提供を開始した。日本では最高裁判所が2020年から一部の地方裁判所などで民事裁判の争点整理手続きにチームズを導入することで話題になった。
これに対し、パイパー・ジャフレーは10月28日、スラックについて目標株価30ドル、投資判断「オーバーウェート」で調査を開始している。
スラックは6月20日にニューヨーク証券取引所に上場した。初値の38.50ドルは、ニューヨーク証取が事前に示した参考価格の26ドルを48%上回る水準だった。しかし、初日の場中で付けた42.00ドルが上場来高値となり、その後11月8日に19.69ドルの上場来安値を付けている。
12日の東京株式市場でソフトバンクGは前日比98円(2.28%)安の4202円で前場を終えた。
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