タイ中銀、ゼロ金利政策を近く導入の可能性も 野村が予想
タイの経済は新型コロナの感染拡大と反政府デモによる打撃を受けており、中央銀行は近く、政策金利をゼロへと引き下げる可能性がある。
タイの経済は新型コロナウイルスの感染拡大と反政府デモによる打撃を受けており、中央銀行は近く、政策金利をゼロへと引き下げる可能性がある。
野村ホールディングスの東南アジア担当エコノミスト、ユーベン・パラキュレス氏が19日、米CNBCの番組で語った。同国の経済に占める割合の大きい観光セクターがコロナで大打撃を受けたと同氏は述べた。さらに反政府デモが景気回復に水を差しているという。
7月に始まったデモは平和的に行われてきたが、今週に入り激化している。デモ隊はプラユット首相の更迭や王室改革を要求している。
政情不安は今後数カ月間、タイの経済に重くのしかかる可能性があると同氏は指摘。また、こうした中で現金給付を含む政府によるコロナ支援策は十分に行われていないとの認識を示した。
タイでは景気回復が始まっているがペースは遅い。タイの景気回復は東南アジアで最も緩慢で、かつ最もぜい弱なものになるかもしれないと同氏は予想する。
タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は16日、2020年7~9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)が前年同期比6.4%減ったと発表した。マイナス成長は3四半期連続となる。ただ、12.1%減だった4~6月期からは持ち直した。
タイ中央銀行は18日の金融政策委員会で、政策金利(翌日物レポ金利)を過去最低水準の年0.5%に据え置いた。据え置きは4会合連続となる。同国の政策金利は20年に入ってから3度引き下げられ、5月に0.5%に低下した。
ぜい弱な景気回復を支えるため、中銀は今後数カ月の間に政策金利を年0.5%からゼロに引き下げる可能性があると野村は予想する。
通貨バーツは1ドル=30.30バーツ前後で推移している。
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