ギリアド株が小幅高、レムデシビル承認見通しで UBSは投資判断下げ
・UBS、投資判断を「買い」から「中立」に
・日本は近く薬事承認へ
27日の米株市場でバイオ医薬品メーカーのギリアド・サイエンシズ<GILD>が小幅高。同社が開発した「レムデシビル」が米国や日本などで新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認される見通しであることが買い材料になった。一方、金融大手UBSによる投資判断の引き下げで上値は抑制された。
ギリアド株の終値は前週末比0.26ドル(0.33%)高の79.90ドル。
UBSは27日に発表したリサーチノートで、ギリアドの投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。この1週間余りでギリアドの投資判断を引き下げたのはUBSが3社目で、ウェルズ・ファーゴとBMOキャピタルに続く。
一方、UBSはギリアドの目標株価を77ドルから80ドルに引き上げている。
UBSは、現時点で複数行われているレムデシビルの第3相臨床試験の成功の確率が50%超との推測は不変であるとし、投資判断の引き下げはむしろ、足元のギリアド株価に基づくものだと指摘。株価の急上昇を受け、リスク・リワードが一段と均衡化したとの見方を示した。
ギリアド株価は今月に入り、一時30%を超える年初来上昇率を記録している。
承認の動き
安倍晋三首相は27日、衆参両院の本会議で、新型コロナ感染症の治療薬としてレムデシビルを近く薬事承認することが可能となると明らかにした。海外での承認を前提に、緊急時に国内の審査を簡略化できる医薬品医療機器法の「特例承認」制度を適用することで、政府は早ければ5月上旬にもこれを承認する方針という。
レムデシビルは現在、ギリアドが進める第3相臨床試験をはじめ、米国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー感染症研究所の検証など複数の治験が世界で行われている。
レムデシビルは、ギリアドがエボラ出血熱の治療薬として開発を進めていた低分子化合物で、ウイルスの複製に関与するRNAポリメラーゼを阻害する作用がある。エボラ熱への有効性は確認されず、これまでに承認した国はない。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。