WTI原油、今夏の予想28ドルで据え置く━ゴールドマン
・リバランス進行で相場急落のリスク後退
・ブレントは30ドルを予想
ニューヨーク原油先物が14日の取引で上昇。一時、約1カ月ぶりの高値を付けた。こうしたなか、ゴールドマン・サックスは最悪期は過ぎ去り、相場が急落する可能性は低くなったと指摘。需要の回復と減産により、需給が改善しているとの見方を示し、今夏のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物の予想水準を1バレル=28ドルで維持した。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場するWTIで期近の6月限は14日の取引で反発。前日比2.27ドル(8.98%)高の27.56ドルで取引を終えた。一時、27.96ドルと4月上旬以来の高値を付けた。
ロンドンのインターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)に上場する北海ブレント先物も反発。期近の7月限は1.94(6.65%)ドル高の31.13ドルで引けた。
ロイターによると、ゴールドマンは13日付のリサーチノートで、世界各国で新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンが徐々に解除され始めていることや、原油生産が予想以上に減少していることで、原油市場のリバランスがペースを増しており、相場が急落するリスクは後退していると指摘した。
ゴールドマンは5月の世界原油需要を従来予想から日量140万バレル引き上げたが、まだコロナ禍前の水準を同1600万バレル下回る。ただ、リバランスが進むことで、需給バランスは6月に供給不足に転じる可能性があるとの見方を示した。
一方、大量に積み上がった在庫の存在や、価格の上昇に伴う米国産油業者の生産再開などで、今後数カ月は相場の上値余地は限定的とみられるとも指摘。
需要面も今後数カ月は不安定な状態が続くとし、目先はレンジ相場を予想。今夏の相場の予想水準をWTIについては28ドル、ブレントについては30ドルで据え置いた。
IEA需要予想
原油需要については、国際エネルギー機関(IEA)も14日に発表した月報で予想を引き上げた。
IEAは4~6月期の需要を従来予想から日量320万バレル上方修正し、前年同期比で同1990万バレル減になると予想。
また、20年通年の需要予想を日量70万バレル引き上げ、前年比同860万バレル減になるとしている。
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