「株高→米ドル安」のトレンドは変わらず / 米金利とドル円の2つのトレンド
今日のサマリー。「株高→米ドル安」のトレンドは変わらず。米金利は0.72%で反発が抑制されている。ドル円の短期的な展望は?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
「株高→米ドル安」のトレンドは変わらず
昨日の外為市場は、対先進国通貨で米ドル安優勢の展開となった。
米長期金利(以下米金利)は0.72%の水準まで反発する局面が見られたが、この水準でキャップされると0.68%台へと低下した。
一方、米株は主要3指数が軒並み上昇した。S&P500指数とナスダック総合指数は連日の最高値更新となった。
米国市場での「株高/金利低下」を受け、ドル円は再び105円台へと下落。
一方、ユーロドルは1.18台で底堅さを維持している。
今日からジャクソンホール会議が開催される。
24日のレポート「米指標データとジャクソンホール / 10%を割り込んだ米株のボラティリティ / ユーロドルは上値の重い展開か」で指摘したとおり、金融政策の指針を示すフォワード・ガイダンスの導入に言及してくるかどうか?焦点はこの点にある。
ジャクソンホール会議後も、政策相場が続く可能性が高いことを考えるならば、「株高→米ドル安」のトレンドは今後も続くことが予想される。
政策相場のかく乱要因は米金利の反発だが、4月からの動向と8月の反発を考えるならば、現時点では0.72%レベルもしくは0.75%レベルまでの反発が限界と予想される。
米長期金利のチャート
米金利とドル円の2つのトレンド
8月は米金利が上下に動く局面が見られた。
この動向を受け、上昇の局面でのドル円には2つのトレンドが発生している。
ひとつは、株高のみの状況でドル円が上昇する場合、106.50前後がレジスタンスとして意識されるトレンドである。
もうひとつは、株高と米金利の反発が同時に発生する局面では107円台をトライするトレンドである。
ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長がフォワード・ガイダンスを導入し、長期の金融緩和スタンスを示すならば、米国市場では株高トレンドと金利の低空飛行状態が続こう。
よって、ドル円は前者のトレンドを意識しておきたい。
後者のトレンドとなっても、米金利が0.72%や0.75%でキャップされている状況を考えるならば、107円台で上値が抑制される展開を予想する。
一方、下値の焦点は104円台の維持で変わらず。
レポート執筆時点(8時前)で、ドル円は短期サポートラインを下方ブレイクしている。
ジャクソンホール会議を控え、かつ米金利が0.72%の水準でキャップされている状況も考えるならば、今日のドル円は上値の重い展開が予想される。
105.70レベル、105.42(8/21安値)そして105.09(8/19安値)をサポートポイントとして想定したい。
105.10のブレイクは104円台へ反落するシグナルとして捉えたい。
ドル円のチャート
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