株高でもドル円は107円トライを警戒
株高トレンドが続いています。しかし、ドル円は107円を再びトライする状況を警戒すべき局面にあると考えています。その理由は?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
株高でもドル円の108円台乗せは難しい
昨日の欧米株式市場は米英勢が不在。だが、参加者が限られる中でも米株の先物指数は軒並みプラス圏で推移した。25日のレポート「米中対立リスクと投資家心理」で指摘したとおり、投資家のリスクを取りに行くスタンスは今週も変わらないだろう。
活況を呈する米株とは対照的に、ドル円は107円台での膠着状態が続いている。株高局面では「米ドル安vs円安」の戦いとなっているが、これまでは円安優勢で推移してきた。クロス円がドル円のサポート要因となっていからだ。では、この状況が続くことで、ドル円はこのまま108円台の攻防へシフトするのか?と問われたら、筆者は「上昇する局面はあるが水準が切り上がることは難しい」と答えるだろう。むしろ、目先は107円トライを警戒している。
3つの理由
その理由は3つある。まずは、上で述べた株高局面での「米ドル安vs円安」の戦いである。これは、FEDが無制限緩和を解除しない限り続くだろう。
二点目は、市場の期待や予測を反映するインプライド・ボラティリティ(以下ボラティリティ)の低下である。1週間物の水準を確認すると、5%前後で推移している。過去の動向を確認すると、2019年10月から今年2月中旬にかけ、この水準(5%)前後でボラティリティが膠着する状態が続いた。この時のドル円は、108-110円レンジで売り買いが交錯する状況に陥っていた。その後コロナショックが発生し、ボラティリティが急拡大(30%手前まで急拡大)した経緯がある。この点は重要である。なぜなら、ドル円のボラティリティが拡大する時- それはリスク回避相場の時であることを意味するからだ。では、目先のリスク要因、言い換えれば株安の要因は何か?それは「コロナショック第2波」と米中対立の再燃である。前者は株安の要因、後者は株高の調整要因と筆者は想定しているが、どちらにしても現在の株高トレンドに水を差すだろう。株安の要因であるということは、円高の要因ということである。リスク回避相場では「米ドル高vs円高」の戦いとなるが、FEDが無制限緩和を導入して以降、「株安→円高」のトレンドパターンが見られる。
ドル円のインプライド・ボラティリティ
三点目は、市場のトレンド予測を示すリスク・リバーサルの動向である。1週間物を確認すると、横ばいから低下基調へ転じている。株高が続く状況でもリスク・リバーサルが低下するということは、短期的なドル円の下落を通貨オプション市場の参加者が意識し始めている、ということである。言い換えれば、108円前後の水準を強固なレジスタンスゾーンとして意識し始めているということである。ボラティリティの低下基調を考えるならば、一気に105円を試す可能性は限りなく低い。だが、107円のトライもしくは瞬間的にこの水準を割り込む展開は警戒しておきたい。107円を割り込む場合、最初の下値ターゲットは106.70レベルを想定している。この水準は5月中旬に相場をサポートし続けた経緯がある。なお、107.00-107.20には断続的にビッドが観測されている。
ドル円のリスク・リバーサル
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