リスク選好と米ドル安
米株のボラティリティは30%の水準をきってきました。投資家のセンチメントは相当改善してきた証拠です。リスク選好の局面では、今後も米ドル安を意識する局面が続くでしょう。注目の通貨は?ドル円のポイントは?マーケットレポートをご参照ください。
米株のボラティリティは定常状態へ
4月の米雇用統計は戦後最悪の内容だったが、8日の米国株式市場は主要3指数が上昇した。多くの機関投資家がベンチマークとするS&P500は、再び2,900ポイントを突破してきた。注目すべきはボラティリティ(20日間の標準偏差を年率換算した値)である。2017年にトランプ米政権が発足して以降、6%-30%のレンジで推移していた。つまりこのレンジは、ボラティリティが定常状態にあるか否かを考える上で重要な水準と言える。コロナショックにより一時90%まで急上昇していたボラティリティだが、直近の値を確認すると29.37%まで低下している。定常状態の水準へ戻った状況を考えるならば、投資家心理は相当改善したと言えるだろう。
S&P500の動向
リスク選好下での米ドル安
実体経済の先行き不透明感が意識される中でも、米株のボラティリティが低下基調の一途を辿っている背景にあるのは、FEDの超金融緩和策である。そうである以上、リスク選好下での外為市場では、米ドル安圧力が高まることを予想する。事実、4月以降の株高を受け、外為市場では一部の新興国通貨を除き米ドル高圧力が後退していることがわかる。対オセアニア通貨やロシアルーブルでは米ドル安が鮮明となっている。
米ドル相場のパフォーマンス
現状、リスク選好下での米ドル安の恩恵を受けているのがオセアニア通貨、特に豪ドルである。調整を挟みながら現在はレジスタンスポイント0.6600の突破を虎視眈々と狙う局面にある。米株の堅調地合いに加えて、短期リスクリバーサル(1週間)が上昇トレンドにあることも考えるならば、0.6600を突破し、0.6685(3/9高値)を目指す展開を現時点では予想している。一方、下値の焦点は0.6370台の維持となろう。この水準は、今月4日と7日に相場をサポートした経緯がある。
リスク選好下でのドル円は、「米ドル安vs円安」の戦いが続こう。インプライドボラティリティが6%台まで低下している状況を考えるならば、今週も106円台を中心とした売り買い交錯相場が予測される。円安圧力が勝るケースでは107円台へ上昇する局面が見られよう。このケースでは、107.50レベルでの反落リスクを意識したい。一方、米ドル安圧力が勝るケースでは105円台への下落リスクを常に警戒すべき局面にある。だが、106円割れでの押し目買いの強さを考えるならば、105円台へ完全に攻防シフトするきっかけは、やはり株安と予想する。
豪ドル/米ドルチャート
ドル円チャート
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