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明確になったレジスタンスポイント

昨日、ドル円とユーロドルは上昇しました。重要なことは、目先のレジスタンスポイントが明確になったことです。その水準はどのレベルか?なぜその水準がレジスタンスポイントとして意識されるのか?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

ドル円のレジスタンスポイント

昨日、ドル円は108円台へ上昇する局面が見られた。しかし、フィボナッチ・リトレースメント61.80%の水準108.08レベルで上値が抑制され、あっけなく107円台へと反落した。この水準は4月16日以降、ドル円の上値を抑制し続けているが、昨日の反落により、あらためて108.10レベルが重要な攻防分岐の水準であることがはっきりした。
この水準を突破する鍵は、リスク選好を背景とした円安と予想している。昨日は米株が反落したが、下落幅は限定的だった。実勢相場のボラティリティ(20日間の標準偏差を年率換算した値)とVIX指数に大きな変動が見られなかったことも考えるならば、典型的な調整の反落と言える。また、NY原油先物価格が反発基調を維持し、中国の経済活動が再開されてからは国際商品市況全体のトレンドを示すCRB指数も4月下旬以降は反転基調にある。これらリスク資産の底堅い動向は、投資家心理が未だ強気であることを示唆している。
だが、リスク選好相場では米ドル安圧力が高まり易い。この点を考えるならば、108.10レベルを突破しても、すぐ上の水準で推移している200日MAで上値が抑制される展開は十分に考えらえる。このMAは今日現在、108.29レベルで推移している。また、108.30にはオファーが観測されている。

ドル円チャート

USDJPY ドル円 フィボナッチ・リトレースメント 200日移動平均線

ユーロドルのレジスタンスポイント

一方、ユーロドルのレジスタンスポイントもはっきりしてきた。その水準は1.10である。FEDが無制限緩和を決定した直後は米ドル売りが急速に高まり、ユーロドルは1.1146まで急上昇する局面が見られた。しかし、その後は1.08レベルを下限、1.10レベルを上限としたレンジ相場へシフトしている。この主因は、ユーロドルのトレンドを発生させ、且つそれをけん引するドライバーの不在にある。そのドライバーとは、米独利回り格差である。しかし、現在は米長期金利も独長期金利も金融緩和政策の長期化に対する思惑が高まっていることで、横ばい水準で推移している。その結果、金利格差も横ばい水準で推移し、ユーロドルはドライバー不在の状況に陥っているわけである。
このような状況の中でも、5000億ユーロのEU復興基金への期待を背景に、ユーロドルは反発局面にある。だが、昨日は1.0976で上値が抑制され、日足ローソク足が上影陽線となったことを考えるならば、1.10レベルが明確なレジスタンスポイントとしてはっきりしてきた。この水準を突破しても、ドライバー不在の状況を考えるならば、今月1日高値1.1017レベルで上値が抑制され、1.09台へ反落といった展開を想定しておきたい。尚、1.10から1.1010には断続的にオファーが並んでいる。

ユーロドルチャート

EURUSD ユーロドル

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