強まる米ドル安圧力 / ドル円はコアレンジをブレイク 104.17の再トライが焦点に / ポンドドルは1.30で上値の重い展開に
今日のサマリー。FEDの超金融緩和政策が長期化するとの見通しを受け、米ドル安の圧力がさらに高まっている。このため株高の調整局面でも米ドル安の展開が見られる。ドル円とポンドドルのチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
強まる米ドル安圧力
昨日の外為市場は、対先進国通貨で小幅ながらも米ドル安優勢の展開となった。
今年の4月に政策相場が始まって以降、このようなケースは稀(まれ)である。
だが、FEDが長期にわたり金融緩和政策を続けるスタンスをあらためて示したことで、昨日のような状況が今後も散見される可能性がある。
言い換えれば、昨日の動向は、外為市場で米ドル安の圧力がさらに強まったシグナルといえる。
米ドル相場のパフォーマンス:対先進国通貨
だが、株高の調整局面での米ドル相場は、基本的に『米ドル高』である。この点は、昨日の新興国通貨のパフォーマンスが示唆している。
メキシコペソと南アランドで米ドル安優勢とはなったが、その率はマイナス0.4%前後と小幅だった。
その他の主要な新興国通貨では総じて米ドル高となった。
米ドル相場のパフォーマンス:対新興国通貨
ドル円はコアレンジをブレイク 104.17の再トライが焦点に
ドル円は105.00-107.00のコアレンジを下方ブレイクし、104円台の攻防へシフトしている。
これまでは、株高の調整局面で米ドル買いがドル円をサポートする展開が多く見られた。
しかし、上で述べた通り、米金融緩和の長期化が米ドル安の圧力をさらに高めていることで、株高の調整局面でもドル円は下値をトライする展開となっている。
このトレンドを重視するならば、目先の下値の焦点は7月31日に付けた安値104.17レベルの再トライとなろう。104.20にはビッドが観測されている。
104.17を完全に下方ブレイクする場合は、104.00トライのシグナルと想定したい。この水準にもビッドの観測あり。
一方、上値の焦点は、昨日の欧州タイム以降、相場の反発を抑制している104.85レベルの突破となるか?まずはこの点に注目したい。
これを達成する場合は、今月16日の欧州タイム以降、レジスタンスとして意識されている105.15前後の攻防に注目したい。
ドル円のチャート
ポンドドルは予想通り1.30で上値の重い展開に
昨日は、英国の中銀金融政策委員会(MPC)が開催された。
注目点は、議事要旨でマイナス金利の導入について検討する方針を明らかにしたことである。これ自体は英ポンド(以下ポンド)売り要因である。実際、議事要旨の内容を受けポンド売り圧力が一時高まった。
しかし、現在の外為市場は米ドル安優勢の展開となっている。これがポンド相場のサポート要因となっているため、昨日は対米ドルで『往って来い(下落したと思ったらすぐに反発)』の展開となった。
現状、ポンドドルは節目の1.30がレジスタンスとして意識されている。昨日の往って来いの状況でも、この水準を完全に突破することはできなかった。
このようなテクニカル要因に加えて、マイナス金利の検討やEUとの通商協議が暗礁に乗り上げている状況も考えるならば、今日以降、ポンドドルは再び下値をトライする可能性があろう。
このケースでは、米ドル安の圧力がサポート要因となることで1.28前後の水準を維持できるかどうか?この点に注目したい。
来週以降、1.28の水準を完全に下方ブレイクする展開となれば、1.2073(5/18安値)を起点とした短期サポートラインを視野に下落幅が拡大しよう。
一方、1.30を上方ブレイクする展開となれば、21日MAのトライが焦点として浮上しよう。このMAは今日現在、1.3100レベルで推移している。
ポンドドルのチャート
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