株高と豪ドル相場
リスク選好相場での円相場はクロス円を中心とした円安に注目です。ボラティリティの観点から、特に変動幅の拡大が期待できるのが豪ドル円です。その豪ドル円のポイントは?詳細はマーケットレポートをご参照ください。
株高とクロス円
14日の外為市場は、米株の急反発を受け円安優勢となった。リスク選好相場では「米ドル安vs円安」の戦いが焦点になることは、このレポートで指摘済み。事実、昨日のドル円は円安優勢で推移したものの、米ドル安圧力も同時に高まったことから、107.36レベルで上値が抑制された。今月13日、パウエルFRB議長は米国経済の先行きについて厳しい見方を示し、今後の情勢次第で追加の対策を講じることを示唆した。この言動から読み取れることは、FEDによる大規模な資金供給策が長期化すること、そして情勢によってはさらにそれを強化してくることである。FEDの持続的な資金供給は米ドル安要因である。よってリスク選好相場では、クロス円を中心に円安優勢となる一方、ドル円は米ドル安圧力に上値を抑制される状況が続こう。
円相場のパフォーマンス
豪ドル円の動向に注目
主要通貨ペアの変動幅が縮小傾向にある中、豪ドルのインプライド・ボラティリティ(対米ドル、1週間)は13%台と相対的に高い水準にある。現在のところ対米ドルでは0.6370が下限、0.6600が上限として意識されている。米国株式のベンチマークであるS&P500指数のボラティリティは28%台まで低下し、VIX指数も30ポイント台で大きな変動は見られない。これらの動向は、投資家心理の改善傾向が未だ続いていることを示唆している。3月下旬から発生したリスク選好相場の流れに豪ドル相場が上手く乗った事実も考えるならば、株高局面での豪ドル/米ドル(AUD/USD)は0.66台をトライする状況が続くと予想する。
豪ドル/米ドルチャート
よって、クロス円の中で変動幅の拡大が期待できるのは豪ドル円(AUD/JPY)である。対米ドルでの堅調地合いに加えて株高トレンドが続くならば、レジスタンスポイントとして意識されている70.15レベルを突破すると予想する。この水準の突破に成功する場合、次のターゲットは74円台のトライとなろう。70.00と70.20にはそれぞれオファーが観測されている。
リスク選好局面に敏感に反応するということは、リスク回避局面でもその状況になる可能性が高い、ということである。目下のところ、最大の株安要因は「コロナ第2波」である。これが本格的に意識されるならば、豪ドル円はリスク回避の円高により下値トライとなろう。このケースでは67円台の維持が焦点だが、この水準を難なく下方ブレイクする場合は、65円トライの可能性を意識したい。
豪ドル円チャート
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