今週の焦点 /ドル円のチャートポイント
サマリー:「今週は日欧の中銀イベントが円とユーロの売り要因となる可能性あり。米国の指標データと利回りの反応にも注目。ユーロドルとドル円の焦点は?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
・日欧の中銀イベント
今週は、日銀と欧州中央銀行(ECB)が政策会合を開く。
コロナパンデミックからの経済回復が遅れている状況を考えるならば、日銀イベントについては波乱なく終了すると予想する。
しかし、インフレと金融政策の正常化という世界の潮流を考えるならば、日銀が現行の金融政策を維持することは、円安の圧力をさらに高める要因となり得る。実際に政策会合と黒田総裁の会見後に円相場が円安で反応するかどうか?この点をしっかりと確認したい。
一方、ECB理事会だが、12月の会合でパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の包括的な議論を行う可能性が高いことを考えると、日銀イベントと同じく波乱なく通過する可能性がある。
ユーロドル(EURUSD)は現在、1.1660-70のレベルがレジスタンスゾーンとして意識されている。新たな短期のレジスタンスラインも形成されつつある。下で述べる米指標データと米実質金利の動向次第では、米欧の金融政策の方向性の違いが意識され、ユーロドルが再び1.16を下方ブレイクする可能性がある。
一方、1.1660-70レベルの突破に成功しても、1.1690レベルまで低下している50日EMAで反落する展開が予想される。
ラガルドECBが金融政策の正常化に向けて動き出さない限り、ユーロドルは重要なチャートポイントやテクニカルラインでの反落を常に意識しておきたい。
ユーロドルのチャート
・米指標データと実質金利
米債市場では、長期金利だけでなく2年債と5年の利回りも上昇トレンドにある。しかし、期待インフレ率の上昇幅が拡大していることから、9月下旬以降は実質金利の上昇が抑制されている。
ドルインデックス(DXY)と実質金利(5年と10年)のトレンドを確認すると、先に実質金利の上昇(マイナス幅縮小)が抑制され、その後ドルインデックスの上値が重くなっていることがわかる。直近の米ドル高の調整は、実質金利の影響によるところが大きいことを下のチャートが示唆している。
期待インフレ率が上昇トレンドにある中で実質金利が再び上昇するためには、米債市場での利回り上昇が条件となる。
その米金利の変動要因として今週注目すべきは、 26日の10月消費者信頼感指数や28日のGDP速報値などの重要指標データである。総じて良好な内容となれば、米金利の上昇圧力を高める可能性があろう。期待インフレ率の動向にもよるが、日欧の中銀が現行の金融政策を維持する公算が大きい中で「良好な指標データ→米金利の上昇→実質金利の上昇」となれば、再び米ドル高優勢の展開になることが予想される。
ドルインデックスと米実質金利のチャート
・ドル円のチャートポイント
現在のドル円(USDJPY)は、反落のムードにある。
日米の金融政策の方向性の違いを考えるならば大きなトレンドは「ドル高/円安」だが、トレンドフォローを重視するならば、現在のドル円は新たなサポートポイントを見極める局面にある。
先週22日の陰線示現で、ドル円は10日EMA(今日現在113.55レベル)を下方ブレイクしつつある。
10日線を完全にブレイクする場合、まずは今月中旬に相場をサポートした経緯がある113.20レベルを維持できるかどうか?この点に注目したい。この水準は、10月高安(レポート執筆時点)のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準でもある。
113.20レベルをも完全に下方ブレイクする場合は、113円台の維持が焦点となろう。
しかし、テクニカル面では21日EMA(今日現在112.79レベル)までの反落を想定しておきたい。すぐ下の112.75レベルは10月高安の50.0%戻しの水準にあたる。
一方、上で述べたとおり「良好な指標データ→米金利の上昇→実質金利の上昇」のケースでは、ドル円の反発を予想する。このケースでは、今月20日の高値114.69レベルのトライおよび突破が焦点となろう。また、レジスタンスポイントとして意識された114.50レベルがサポートへ転換するかどうか?この点にも注目しておきたい。
ドル円のチャート
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