英中銀イベントにらみのポンドドル 焦点は利下げの時期 注目のチャートポイント
今週9日に英中銀の金融政策委員会(MPC)が開催される。利下げの時期を見極めるうえで重要なイベントとなろう。ポンドドル(GBP/USD)は現在、上値をトライするムードにある。しかし、今回のMPCで早期の利下げ期待が高まる場合は、ポンドドルの反落を警戒したい。今週、注目のチャートポイントは?
サマリー
・英中銀の金融政策委員会(MPC)で早期の利下げ期待が高まるか注目
・今のポンドドルは、上値をトライするムードにある
・しかしMPCで利下げ期待が高まれば、ポンドドルの下落を警戒したい
・今週、注目しておきたい上下のチャートポイントについて
焦点は英中銀の利下げ時期
今週9日に英中銀が金融政策委員会(MPC)を開く。前回のMPCではマン委員とハスケル委員が政策金利の据え置き支持に回った。また、ディングラ委員が0.25ポイントの利下げを主張したことで2021年9月以来、初めて利上げを支持する委員がいなくなった。
今回のMPCでは政策金利の据え置きが予想される。よって、焦点は英中銀がいつ利下げに踏み切るのか?この点を見極めことにある。
現在、短期金融市場では英中銀の利下げ時期について思惑が交錯している。現時点では、8月の利下げを意識する状況にある。
今回のMPCで注目したいのが、英中銀が考えるインフレの見通しである。英国のインフレ率は物価目標に向かって鈍化し続けている(下のチャートを参照)。しかし、中東情勢の緊迫化はインフレの鈍化を阻む要因になり得る。グリーン政策委員は中東リスクによるインフレ期待の高まりなどを受け、物価の見通しにリスクをもたらす可能性について言及した(4月のIMF主催のセミナー)。
それでも英中銀が持続的なインフレの鈍化を想定する場合は、6月の利下げ期待が高まる可能性がある(現時点での織り込み度合いは30%程度)。早期の利下げ期待が高まる場合は、ポンド売りの要因となろう。
英国 インフレ率の動向:23年以降
上値トライのムードにあるポンドドル
直近のポンドドル(GBP/USD)の動向を日足チャートで確認すると、10日線(1.2524レベル)と21日線(1.2495レベル)でゴールデンクロスの状況にある。モメンタムはゼロラインを上回り強気相場に勢いがあることを示唆している(下のチャート、緑矢印を参照)。
ストキャスティクスが短期的な相場の過熱感を示唆していることは気になるが(下のチャート、赤矢印を参照)、RSIが緩やかな上昇トレンドにあることを考えるならば、テクニカルの面でポンドドルは上値トライを意識する状況にある。
今週もポンドドルが上昇トレンドを維持する場合、最初に注目したいのが直近高安の半値戻しの水準1.2597レベルである。1.26レベルの攻防と考えることもできる。
いずれにせよ、今月3日と6日の日足ローソク足で長い上ヒゲが発生し反発が止められた経緯を考えるならば、1.26レベルでのポンド売り圧力の強さがうかがえる(下のチャート、赤の矢印を参照)。ゆえに、ポンドドルがしっかりと1.26台へ上昇する場合は、さらに上値を目指すシグナルとなろう。
ポンドドルが1.26台の攻防へシフトする場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.2667レベルおよび4月の上旬に相場の反発を止めた1.2710レベルのトライを想定しておきたい。
ポンドドルのチャート:日足 24年2月以降
反落局面でのチャートポイントは?
一方、今週の英中銀イベント(インフレの見通しやベイリー総裁の言動)で早期の利下げ期待が高まる場合は、ポンド売りの展開が予想される。
このケースでのポンドドル(GBP/USD)は、上で取り上げた10日線と21日線を下方ブレイクし、5月に相場をサポートしている1.2470レベルをトライする展開を想定しておきたい(下のチャート、青ラインを参照)。1.2470レベルは、直近高安の半値戻しの水準にあたる。
ポンドドルが1.2470レベルをも難なく下方ブレイクする場合は、先月23日から24日にかけて相場をサポートした経緯のあるフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.2427レベルそして1.24トライを想定しておきたい。後者の1.24レベルは、先月16日から19日にかけて相場をサポートした経緯がある。
時間足のストキャスティクスやRSIが売られ過ぎの水準でゴールデンクロスの状況にある時に、ポンドドルが上で取り上げた各サポートの水準をトライする局面では、反発相場を想定しておきたい。
ポンドドルのチャート:4時間足 4月15日以降
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