出光など石油株安い、NY原油時間外で利益確定売り　米中首脳会談やOPEC会合控え

28日の東京株式市場で出光興産<5019>など石油関連銘柄が下げている。20カ国・地域首脳会議（G20大阪サミット）に合わせて29日に開催される米中首脳会談や、来週の石油輸出国機構（OPEC）と非加盟産油国の会合を前に、NY原油先物相場が時間外取引で利益確定や持ち高調整の売りに押されていることが背景にある。

午後2時25分現在、出光は前日比40円（1.22％）安の3240円、コスモエネルギーホールディングス<5021>は前日比43円（1.74％）安の2427円で取引されている。

東証33業種中、石油・石炭製品は値下がり率でトップ。鉱業は3位に位置している。

米中首脳会談

27日のニューヨーク・マーカンタイル取引所（NYMEX）で原油先物相場はわずかに続伸。WTI（ウエスト・テキサス・インターミディエート）で8月限は前日比0.05ドル高の1バレル＝59.43ドルで通常取引を終えた。

8月限はその後の時間外取引で一時、59ドルちょうどまで下げる場面があった。日本時間午後2時20分現在、通常取引を0.28ドル下回る59.15ドルで推移している。

米中首脳会談は29日午前11時半に始まる。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト（電子版）は27日、関係筋の話として、両国は貿易戦争を休戦にすると伝えた。期間は年末まで6カ月間に及ぶ可能性があるという。同紙によると、トランプ氏は習氏が会談に応じた見返りに、中国からの全輸入品に追加関税を賦課する「第4弾」の実施を保留にする見通し。

しかし、これより後、米政権当局者は中国に対する新たな関税措置の発動は29日の米中首脳会談の結果次第だと述べている。この当局者はあわせて、米国がファーウェイ（華為技術）に科している米国技術売却禁止の撤回で合意する可能性は低いとの見方を示した。

OPECプラス

OPECとロシアなど非加盟の主要産油国は7月1日に共同閣僚監視委員会、2日に「OPECプラス」会合を開き、7月以降も協調減産を維持するかどうかを協議する。現行の協調減産は6月末に期限を迎える。

サウジアラビアなどが減産継続を求めているのに対し、ロシアは減産に対し慎重な姿勢にあると伝えられている。