NY金が上昇、米利下げ見据える
・時間外で上値伸ばす
・米中協議巡る不透明感も支援
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場が上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げがほぼ確実視されるなか、金利を生まない資産である金の投資妙味が意識され、資金が流入している。
COMEXで取引の中心である期近12月限は30日、前日比8.5ドル(0.59%)高の1トロイオンス=1441.80ドルで通常取引を終えた。その後の時間外取引では一時、1445.1ドルまで上値を伸ばした。
NY金は18日夜の時間外取引で1454.4ドルと、2013年5月以来、ほぼ6年ぶりの高値を付けている。
FRBは30日から2日間の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開いており、日本時間8月1日未明に結果を公表する。FRBが利下げに踏み切れば10年半ぶりとなる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が金利先物から算出する市場の利下げ予想確率であるFEDウォッチによると、金融市場は利下げを100%織り込んでいる。引き下げ幅予想は0.25%が大勢を占めている。
米中貿易摩擦
米中両国は30日から閣僚級貿易協議を中国・上海で開催している。
これに際してトランプ米大統領は30日、「中国は米農産品をすぐに買い始めるはずだったが、予兆がない」とツイッターに投稿。「われわれのチームは現在交渉しているものの、中国はいつも自分たちの利益のために最後にディールを変えてくる」と続けた。6月に大阪で開催された米中首脳会談の後、中国は米農産品を購入すると表明していた。
このほか、中国が求める通信機器大手ファーウェイ(華為技術)への制裁緩和に米側が応じるかどうかも焦点の一つになる。
米中協議の先行きの不透明性を悲観して30日の米欧の株式相場は下落。安全資産として金が買われた。
ブレグジット
英国の欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」への警戒感もまた金相場を支えている。
24日に英首相に就任したボリス・ジョンソン氏は、主要閣僚に強硬離脱派の議員を任命。28日に10月末のEUからの離脱に向け、合意なき離脱を想定して準備に取りかかる方針を示し、29日には再度、前政権がまとめたEU離脱案について死んだと述べた。
ジョンソン氏はEU離脱の合意内容の再交渉を求める一方、EUのユンケル欧州委員長は再交渉に応じない姿勢だ。
30日外国為替市場ではポンドが売りが加速し、ポンドは対ドルで17年3月以来の約2年半ぶりの安値を付けた。
NY金12月限 60分足チャート (出所: IG証券)
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