NY原油が時間外取引で上昇 イラクの米大使館近くにロケット弾
・バグダッドの厳重警備区域に着弾
・米とイランとの緊張高まる可能性
ニューヨーク原油先物相場が時間外取引で上昇。イラクの首都バグダッドで厳重な警備が敷かれている「グリーンゾーン」に19日夜(日本時間20日朝)、ロケット弾が撃ち込まれたことで中東情勢が一段と緊迫化する可能性があるとの見方が広がった。
WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近6月限は17日の通常取引を前日比0.11ドル安の1バレル=62.76ドルで終えた後、上値を伸ばす展開。日本時間20日午後5時20分現在、通常取引終値より0.64ドル高い63.40ドルで取引されている。一時63.81ドルまで上昇した。
グリーンゾーンには米国の大使館や各国政府機関が集中している。イラク軍報道官によると、ロケット弾は米大使館から1マイル(約1.6キロメートル)以内に着弾した。ロケット弾による負傷者はいないという。
ロケット弾はバグダッド東部から発射されたとみられている。同地域にはイランが支援するイスラム教シーア派勢力の拠点があるという。
中東では米国とイランの緊張が高まっている。米国務省は15日、イラクの米大使館と北部アルビルの米領事館の職員のうち、緊急性の低い業務の従事者に出国を命じた。また、イラク国内に滞在する米国市民にも民間交通機関で直ちに出国するよう求め、さらにイラク国内の米国の施設に近づかないよう求めた。
トランプ政権はこれに先立ち、中東地域に原子力空母などを派遣した。
20日の東京株式市場で石油株はまちまち。出光興産<5019>は前週末比85円(2.55%)高の3420円、ENEOS Holdings Inc<5020>は4.8円(0.86%)安の550.6円で取引を終えた。
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