コストコホールセール(COST)、外出禁止と自宅待機命令に伴う買いだめの長期化により、既存店売上高の高い伸び率が継続へ
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BLOOMBERG COST:US| REUTERS COST.OQ
- 2020/8期2Q(12/2-2/16)は、売上高が前年同期比10.4%増。その内、販売収入が同10.5%増、年会費収入が同6.3%増だった。
- 2月の月次既存店売上高は前年同月比12.1%増。新型コロナウイルスの影響を受けた買いだめが最終週に発生し、売上高を押し上げた。
- 外出禁止と自宅待機命令が長期化すれば、買いだめが続くことに伴い既存店売上高の高い伸び率が継続すると見込まれよう。
What is the news?
3/5発表の2020/8期2Q(2/16までの12週間)は、売上高が前年同期比10.4%増の390.72億USD(その内、販売収入が同10.5%増の382.56億USD、年会費収入が同6.3%増の8.16億USD)純利益が同4.7%増の9.31億USDとなった。2019年は感謝祭が例年より遅く、年末商戦の本格化が12月にずれ込んだことが売上高を押し上げたほか、インターネット通販の売上高が同28.4%増と好調だった。アマゾン・ドット・コム(AMZN)やウォルマート(WMT)を追撃するために関連サービスを拡充したことも奏功した。決算日が2/16であり、新型コロナウイルスの影響は限定された。
2Qの既存店売上高は前年同期比8.9%増だった。その内訳は、全785店舗のうち546店舗を占める米国が同9.1%増、100店舗を有するカナダが同8.9%増、その他海外が同7.9%増だった。併せて公表された2020/2(3/1までの4週間)の既存店売上高は前年同月比12.1%増。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて日用品の買いだめなどが2020/2の最終週に発生し、同月の既存店売上高を3%程度押し上げたと見られる。また、同月のインターネット通販の売上高は同22.6%増となった。
How do we view this
2Qの販売収入に係る利益率は、粗利率が前年同期比0.3%ポイント悪化の11.0%だった一方、経費率が同0.2%ポイント改善の9.8%だった。同社のビジネスモデルは、販売収入で営業費用を賄いつつ年会費収入で利益を確保することを基本としており、販売収入に係る粗利率が経費率を上回ると同時に年会費収入が伸びている現状は、同社の持続的成長にとって望ましい状況と言えよう。米国では新型コロナウイルス感染拡大で外出禁止令を伴う非常事態宣言が出されるなか、同社店舗でも消費者のパニック買いが発生し、マスクや除菌剤、消毒用品、トイレットペーパーに加え、水や缶詰、パスタ、冷凍食品など日持ちのする食料品の売れ行きが好調に推移している。市場関係者からも既存店売上高の伸び率が2020/3以降も同10%以上を継続する公算が大きいとの声が聞かれ、外出禁止と自宅待機命令の長期化に伴い同社の業績が上振れしやすくなるものと見込まれよう。2020/8通期の市場予想は、売上高が前期比8.3%増の1,654.32億USD、当期利益が同7.9%増の39.46億USDである。
配当予想(USD) 2.73 (予想はBloomberg)
終値(USD) 303.63 2020/4/7
会社概要
1976年設立。米国をはじめとする世界14ヵ国でウェアハウス・クラブ(会員制倉庫型店舗)を運営している。店舗数は2020/2末で785店舗であり、日本でも26店舗を展開する。ブランド商品やプライベート・ラベル商品を様々な商品カテゴリーで卸売価格で販売する。
主な製品は、食品、自動車用品、玩具、ハードウエア、スポーツ用品、宝石類の販売、電子機器、衣料品、ヘルスケア用品、化粧品など多岐にわたる。また、ガソリンスタンド、薬局、光学式調剤センター、フードコート、補聴器センターを運営するほか、配送業、旅行、その他様々なオンライン上のサービスを提供している。更に、米国を含む6ヵ国で電子商取引ウェブサイトを運営している。
企業データ(2020/4/8)
ベータ値 0.71
時価総額(百万USD) 134,077
企業価値=EV(百万USD) 134,522
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 1,061.9
1.VANGUARD GROUP 8.63
2.ブラックロック6.50
3.CAPITAL GROUP COMPANIES INC 4.32
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公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員 国際公認投資アナリスト 笹木和弘
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