米ドル安vs円安の戦い / ドル円とユーロドルの焦点について
今日のポイント:『現在の外為市場は ”米ドル安vs円安”の戦いとなっている。ドル円の動向は、米ドル安の圧力が円安の圧力よりも強いことを示唆している。ドル円とユーロドルのチャートポイントについて』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米ドル安vs円安の戦い
昨日の米国株式市場では主要な3指数が上昇した。特にダウ平均は先週末比470ドル高の2万9,950ドルで終え最高値を更新した。
一方、米債市場では、長期金利(以下では米金利)が反発するも0.93%台でキャップされ、節目の1%を突破できずにいる。
株高トレンドに追随できない米金利の動向を反映し、外為市場では米ドル安優勢の展開となっている。同時に円安の圧力も高まっている。
つまり現在の外為市場は、株高のみのリスク選好相場を背景に『米ドル安vs円安』の展開となっている。
そして、昨日のドル円の反落(一時105円台へ上昇するもすぐに104.50台まで反落したこと)を考えるならば、現在は米ドル安の圧力が円安の圧力を上回っている。
ドル円のチャート
ドル円のトレンドは米金利の動向次第
株高のみのリスク選好下でのドル円は、上値の重い展開が予想される。
この状況を打破する唯一の要因は、米金利の反発である。
今日は10月小売売上高などの重要な米指標データが発表される。総じて市場予想を上回る場合、米金利は景気の回復期待を背景に1%を目指す展開が予想される。
また、良好な指標データは、米株高をサポートする要因でもある。
米国市場が『株高/金利上昇』の展開となれば、ドル円は105円台の攻防を想定したい。
本日の上値の焦点は、105.30前後で推移している短期レジスタンスラインの攻防となろう。105.30にはオファーが観測されている。
短期レジスタンスラインの突破に成功すれば、次は105.60の突破が焦点となろう。
一方、米指標データが総じて予想以下となるか、強弱まちまちの内容となれば米金利が上昇する可能性は低い。
株高のみのリスク選好相場が続けば、上述したとおりドル円は上値の重い展開となろう。このケースでは、昨日安値104.34を維持できるかどうか?この点に注目したい。
一方、冴えない米指標データにより米株が反落する場合、ドル円は104.00トライを警戒したい。このケースでは、米金利も同時に低下する可能性が高いからだ。
ドル円のチャート
ユーロドルは堅調地合いを維持するも1.20が遠い
昨日のレポートの『ユーロドルのチャートポイント』の項目で指摘したとおり、ユーロドルは堅調地合いを維持している。
米ドル安の圧力が高まり、且つ市場参加者の短期予測を反映するリスクリバーサル(1週間)が上昇へ転じていることも考えるならば、ユーロドルは上値を目指す状況が続くと予想する。
しかし予想変動率(1週間)を確認すると、5%の水準を割り込む状況となっている。9月の中旬から10月の上旬にかけて同じように予想変動率が低下基調にあったが、この時は米国の大統領選挙を控えていたこともあり、10月の下旬以降は11%近くまで急上昇した経緯がある。
だが現在は、米大統領選のような相場を大きく動かすイベントがない。
この状況を考えるならば、現在のユーロドルにとって節目の1.20は近いようで遠い水準となっている。
目先の上値の焦点は1.19台の上昇で変わらず。1.1900にはオファーが観測されている。
一方、下値の焦点は1.18台の維持となろう。昨日は1.1812でサポートされた。
ユーロドルの動向
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