ラガルドECBはユーロ高を警戒するもけん制はせず / 目先のユーロ相場は米株にらみの展開に / ユーロ円のチャートポイント
今日のサマリー。ラガルドECBはユーロ高をけん制せず。しかし今後の展開次第ではその可能性がある。ユーロドルとユーロ円のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ラガルドECBはユーロ高を警戒するもけん制はせず
今回のECB理事会での市場の関心は、直近のユーロ高に対してラガルドECBがどのようなスタンスを示してくるのか?だった。
結論としては、ユーロ高を注視するも政策の変更が差し迫っているわけではない、というスタンスだった。
外為市場の参加者が警戒していた「けん制」が無かったことで、ユーロドルは高値1.1916まで反発する局面が見られた。
しかし、その後は再びユーロ売りの展開となり、日足ローソク足は長い上ヒゲ付きの上影陽線となった。昨日の動向は、外為市場の参加者にユーロ相場の上値の重さをあらためて印象付けたと言えよう。
今回のECB理事会では、ユーロ高を強くけん制してくることはなかった。
しかし、直近の消費者物価指数(HICP)の急低下と今後もインフレの上昇が抑制される場合は、ユーロ高を強くけん制してくることが予想される。
中長期の視点でのユーロ相場は、引き続きインフレ動向をにらむ展開が続こう。
なお、今回のインフレ予想だが、2020年は6月時点の0.3%で据え置き、21年は0.8%から1%へ引き上げ、22年は1.3%で据え置きだった。
ユーロ圏のインフレ動向
目先のユーロ相場は米株にらみの展開に
一方、短期的な視点でユーロ相場を考える場合、目先は米株の動向に左右されよう。
現在の米株は、株高トレンドの調整局面(反落局面)にある。
S&P500指数のボラティリティを確認すると、8%台から21%台まで拡大している。
2018年以降、上限として意識されている30%の水準までは、まだ余裕がある。米株はもう一段の調整を警戒しておきたい。
米株の調整が続く場合、外為市場では米ドルを買い戻す動きが見られよう。
よって、ユーロドルは上値の重い展開が予想される。
だが7月の下旬以降、相場をサポートし続けている1.17台は相変わらず底堅さを保っている。
この点を考えるならば、目先は1.17-1.20レベルのレンジで売り買いが交錯する展開が予想される。
1.1750の下方ブレイクは1.1700トライのシグナルとして意識しておきたい。
ユーロドルのチャート
ユーロ円のチャートポイント
一方、ユーロ円だが、ドル円がこう着状態であることを考えるならば、ユーロドルの動向でトレンドが左右されよう。
それは米株の動向に左右される、ということでもある。
米株高の調整が続く場合、下値の焦点は124.30-40ゾーンの攻防となろう。
先月上旬と21日そして今月の9日に、このレベルで相場がサポートされた経緯がある。
上のゾーンを下方ブレイクする場合は、119.29(6/22安値)を起点とした短期サポートラインのトライを警戒したい。
このラインは今日現在、123.40レベルで推移している。
一方、米株高の局面では126円台の攻防を予想する。
このケースでの焦点は、昨日上値を抑制した126.50レベルでの攻防である。
先月の中旬以降、この水準を上ヒゲで突破する局面は見られるが、ローソク足の実体ベースでの突破には失敗し続けている。
よって、ユーロ円が126.50レベルを突破する場合は、反落リスクを意識したい。
ユーロ円のチャート
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