相場環境は新興国通貨に有利 ポンドドルは1.30の攻防へ
現在は新興国通貨にとって有利な相場環境にあります。特にロシアルーブルは対ドルで堅調地合いが予想されます。一方、ポンドドルは完全い調整相場へ転じています。目先の焦点は?詳細はマーケットレポートをご参照ください。
・新興国通貨買いの相場環境
19日の米国株式市場は主要3指数がそろって上昇した。一方、債券市場では長期金利上昇に大きな変動は見られず、1.9%台でキャップされる状況が続いた。「株高/米金利上昇の抑制」状況下で買い圧力が高まり易い通貨はリスク性の高い新興国通貨であることは、昨日のレポート「対照的な欧州通貨と新興国通貨」で指摘済み。また、昨日はムニューシン米財務長官が来年1月にも米中双方が第1段階の合意に署名すると発言(米CNBC)。米中対立リスクの緩和も新興国通貨にとってサポート要因となろう。新興国通貨買い圧力が高まり易い相場環境の中、10月以降、原油先物価格(=北海原油先物価格)の上昇と連動しているロシアルーブルが対米ドルで底堅さを維持すると予想する。また、原油高に加え国内株高の恩恵も受けやすい状況にあるブラジルレアル、そしてフィッチにより格付けが据え置かれた南アランドも同様に対米ドルで堅調地合いを維持すると予想する。
新興国通貨が対米ドルで反落する要因として目先注視すべきは、良好な米指標データである。本日は7-9月期GDP確報値と11月PCEが発表される。前者は確報値ということもあり市場へのインパクトは低い。だが、昨日は米ドル売り優勢の展開となっただけに、上記の指標データが総じて市場予想を上回るならば米ドルを買い戻す材料となろう。
【ロシアルーブルと北海原油先物】
・ポンドドルは1.30レベルの攻防へ
調整相場へ転じているポンドドルの焦点は、1.30の攻防となろう。このレベルは、今月4日に上方ブレイクするまで相場をレジストし続けた経緯がある。レジスタンスからサポートへ転換する場合、次は戻り高値の水準が焦点として浮上しよう。この展開となる場合、まずは1.3338(12/17高値)および1.3422(12/16高値)の攻防に注目したい。これらレジスタンスポイントの突破に成功する場合、1.3500再トライを意識したい。
一方、1.30を完全に下方ブレイクする展開となれば、次のサポートポイント1.2800を視野に下落幅の拡大を予想する。このレベルは10月17日以降相場をサポートし続けており、1.30以上にサポートポイントとして市場関係者に強く意識されるだろう。インプライド・ボラティリティの低下基調も考えるならば、現時点では1.28前後でポンドの調整売りが終息すると予想する。尚、1.2950および1.2900にはそれぞれビッドが観測されている。
【ポンドドル】
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