突然の急落も政策期待の相場は続く 米ドル高と円高の戦いは円高優勢
今回のサマリー。株高の調整ムード高まる。政策期待は根強い。株安局面での外為市場は米ドル高と円高の戦いに。現在は円高優勢。ドル円のチャートポイント。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
下落は突然やってくる 政策期待が株式市場をサポートする構図は変わらず
昨日、世界の主要な株価指数は軒並み急落した。
米国の株式市場は序盤から軟調地合いとなり、ダウ平均の下げ幅は1,800ドル超と、過去4番目の大きさとなった。
S&P500指数と数とナスダック総合指数も5%超急落した。
突然やってきた急落の要因については色々な指摘があるが...
実体経済の状況-経済活動が再開されたとはいえ労働市場がコロナショック前の水準に回復しているわけではない状況、企業の業績や予想EPSが低下基調にある状況など-を無視して進行し続けた株高の調整がようやく入った、というのが筆者の見方である。
世界金融危機に対応するため、当時のバーナンキFRBとイエレンFRBは2008年11月から2014年10月末まで量的緩和政策を実施し続けた。
その間、欧州債務危機という大きなリスクイベントが発生したが、株高トレンドは続いた。
そして、量的緩和が終了した後からトランプ米政権による大規模な減税政策が実施されるまで、米株は上値の重い状況が続いた。
量的緩和を終了する前と後の米株の状況と、FEDが2022年まで現在の超緩和政策を続ける予測を出してきたことを考えるならば、今回の下落は調整の域を出ず、引き続き政策期待が株式市場をサポートする構図が続くと予想する。
米国株式の動向
米ドル高vs円高の戦いは続く
株高の調整について警戒すべきと、このレポートで指摘してきた。
そして、このような状況での外為市場では「米ドル高vs円高」の戦いとなることも指摘してきた。
昨日のパフォーマンスを確認すると、米ドル高と円高が同時に発生している。
そしてドル円の動向をみると、若干ながら円買い優勢となっている。
3月のコロナショックでは、米ドル買い圧力が円買い圧力を上回る局面が見られた。
しかし現在は逆の状況となっており、両通貨の力関係に変化が生じている。
昨日のような株安局面では「米ドル高vs円高」の戦いが続くだろうが、今後は円高優勢の局面が多く見られると予想する。
今日のドル円だが、株高の調整ムードが高まっていることを考えるならば、上値の重い展開となろう。
だが、米ドル高の圧力が円高の圧力を相殺する状況が続くことを考えるならば、買戻しを挟みながら、じわじわと下値をトライする展開が予想される。
107.00やフィボナッチ・プロジェクションの50.00%の水準106.98をブレイクしたことで、本日は106.50レベルの攻防が下値の焦点となろう。
106.56は昨日の安値であり、106.50にはビッドが観測されている。
次の焦点は、昨日のレポートでも指摘したフィボナッチ・プロジェクションの61.80%の水準106.30である。
このレベルにもビッドが観測されている。
一方、上値の焦点は、昨日のNYタイム後半で戻りの上値を抑制した106.90レベル、欧州タイムの戻り高値107.10レベルの突破が焦点となろう。
107.10には早くもオファーが観測され始めている。
ドル円チャート
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