コーニング(GLW)、環境規制対応のガソリン微粒子除去フィルター、および5G通信向けのスマホ向け素材「ゴリラガラス」に期待
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- 2019/12期2Q(4-6月)は売上高が前年同期比7.0%増の29.40億USD、純利益が同87.5%減の9,200万USDだったが、Non-GAAPの調整後純利益が同14.2%増の4.10億USDと実質的に増収増益だった。
- セグメント別では全事業が増収増益となる中、ガソリン微粒子除去フィルタ(GPF)の寄与により環境技術事業の増収率が目立った。
- 環境技術事業のGPFのほか特殊材料事業の「ゴリラガラス」が5G通信向けの電波を通し易い素材としてスマホへの普及が期待される。
What is the news?
7/30発表の2019/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比7.0%増の29.40億USD、純利益が同87.5%減の9,200万USD、EPSが同88.5%減の0.09USDだったが、外国為替ヘッジ取引契約に伴う非現金支出費用の値洗い損益変動額▲1.07億USD(前年同期が4.58億USDのプラス)による一時的要因に起因するものであり、Non-GAAPの調整後純利益で見れば同14.2%増の4.10億USDと実質的に増収増益だった。同社の技術や製造が業界を主導したこと、および複数事業に適用可能な多機能製品開発案件への積極投資の継続が奏功して全セグメントが増収増益と堅調だった。
セグメント別の売上高は以下の通り。ディスプレイ技術事業は、10.5世代ディスプレイ用ガラスの生産容量増強、および価格下落が会社想定よりも緩やかだったこともあり同8.7%増の8.48億USD。光通信事業は、データセンター向け光ファイバ需要により同6.5%増の10.90億USD。環境技術事業は、環境規制対応のガソリン微粒子除去フィルタ(GPF)が伸びて同15.4%増の3.66億USD。特殊材料事業は、消費者向け携帯機器の強化ガラスへの需要が堅調だったことから同7.6%増の3.69億USD。ライフサイエンス事業は、販売数量増により同6.1%増の2.60億USD。
How do we view this?
2019/12通期会社計画は、セグメント別の増収率ではディスプレイ技術事業および光通信事業が前期比1桁台前半から半ば、環境技術事業が同10%台前半(前回発表時の同10%から上方修正)、ライフサイエンス事業が同1桁台半ばを見込んでいる。光通信事業における携帯キャリア市場の伸び悩みが想定される点は懸念材料だが、環境技術事業のGPFは欧州ユーロ6および米国LEVⅢなどの排気ガス規制強化が追い風となろう。また、特殊材料事業は自動車向けだけでなく携帯デバイスにも活用できる多機能製品の「ゴリラガラス」に期待がかかる。5G通信は電波を通す素材であることが必要であることからガラス素材が注目されており、傷つきにくく割れにくいゴリラガラスがスマホなど携帯デバイス向けに普及するものと期待される。2019/12通期の市場予想は、売上高が前期比5.7%増の119.28億USD、当期利益が同44.2%増の15.37億USDである。
終値(USD) 28.18 2019/8/5
会社概要
1851年に設立され、1989年に社名を以前の「CorningGlass Works」から変更した。材料科学における世界的企業として、特殊ガラスやセラミック、光学物性に関する専門知識を活かした製品を開発してきた。同社の事業セグメントは、ディスプレイ技術・光通信・環境技術・特殊材料・ライフサイエンスの5つである。 ①ディスプレイ技術事業は、テレビ、ノートPC、フラットパネルモニタに使用される有機発光ダイオードおよび液晶ディスプレイ用のガラス基板を製造している。②光通信事業は、光ファイバとケーブルを製造し、ケーブルアセンブリ、光ファイバハードウェアとコネクタ、その他の様々なハードウェアと機器製品を提供している。③環境技術事業は、モバイル、ガソリン、およびディーゼル用途での排出制御用のセラミック基板とフィルタ製品を製造している。④特殊材料事業は、ガラス、ガラスセラミック、フッ化物結晶の配合材料に係る製品を製造している。⑤ライフサイエンス事業は、プラスチック容器・特殊表面・細胞培養・血清などの消耗品、および細胞培養研究・ゲノミクス・創薬などのための実験器具を含む研究室製品を開発・製造・供給し、独自ブランドで製品の販売も行う。
企業データ(2019/8/6)
ベータ値 1.18
時価総額(百万USD) 22,005
企業価値=EV(百万USD) 30,271
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 164.5
1.VANGUARD GROUP 7.99
2.ブラックロック 6.89
3.ステート・ストリート 4.78
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
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本レポートの作成者:フィリップ証券 リサーチ部
公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員 国際公認投資アナリスト 笹木和弘
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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