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現在の米ドル買い要因と注目度が増すレジスタンスラインの攻防

現在のマーケット環境を考えると、米ドル買い要因は突発的なリスクイベント以外に見当たりません。この状況はドル円の動向-レジスタンスラインの攻防にも影響を与えるでしょう。詳細は今日のマーケットレポートにて。

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

現在の米ドル買い要因

21日の外為市場は米ドル高優勢の展開となった。海外のマーケット関連報道を確認すると「China」「virus」「outbreak / contagion fears」という言葉と、これらを組み合わせたヘッドラインが並んでいる。中国湖北省武漢市で検出された新型コロナウイルスの「感染リスク」が昨日のリスク回避要因であるが、昨日の動向は3つの重要なこと-①リスクイベントでは米ドル高圧力が高まること、②だが目下のところ、米ドル高圧力が高まるとすれば今回のような突発的なリスクイベント以外見当たらないこと、③リスク回避局面では米ドル高以上に円高圧力が高まるトレンドが未だ続いていること-を示唆している。③については以下のパフォーマンスチャートが示すとおり、昨日は英ポンドと日本円に対して米ドル安となったが、対円でより米ドル安(円高)となったことがわかる。
現在の外為市場のトレンドを考える上で常に意識すべきは②である。この点をマーケットの観点で考えると-米長期金利(以下米金利)は再び1.7%台へ低下中。米金融当局による資金供給により米ドルの需給が引き締まる状況でもない。且つ米中リスクも後退している。つまり現在のマーケット環境は米ドル安圧力が高まり易い環境にある。言い換えれば、現在は突発的なリスクイベントくらいしか米ドル買い要因が見当たらない環境にあるとも言える。

米ドル相場のパフォーマンス

The US dollar 騰落率 米ドル パフォーマンスチャート

注目度増すレジスタンスラインの攻防

③については、2005年前後から発生した「リスク選好→円安」「リスク回避→円高」のトレンドが未だに続いている。米株の各ボラティリティ指数(VIX / VXN)はそれぞれ12%台、16%台と、低水準で安定的に推移中。現在の株高トレンドが崩れるシグナルは確認できない。年初のイランリスクと同じく、今回の感染リスクも絶好の押し目買いのチャンスを投資家に与える結果となろう。
株高トレンドの維持を想定する場合、注目しているのはドル円の動向である。2015年6月から続くダウントレンドの象徴-レジスタンスラインは、強烈に相場をレジストし続けている。昨日の下落はその強烈な圧力を多くの市場参加者に再確認させた。米金利の上昇圧力が抑制される中、ドル円が上値トライを継続する頼みの綱は米株高のみである。その米株が過去最高値を更新し続けて尚、レジスタンスラインの突破に失敗し続ける場合、徐々にダウンサイドリスクが高まる展開を予想する。
そのレジスタンスラインだが、今日現在110.24レベルで推移している。110.25および110.30にはオファーが観測されている。オーダー状況の観点でもレジスタンスラインの攻防には引き続き注視したい。

ドル円チャート

USDJPY ドル円 レジスタンスライン チャート分析 テクニカル分析

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