再び低下する米金利 欧米の指標データに注目
米長期金利は再び低下基調にあります。反発材料として注目すべきはやはり指標データでしょう。よって、ドル円は米指標データ次第で売り買いが交錯するでしょう。また、米株の動向にも注視すべきです。なぜか?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
・再び低下する米金利 欧米の指標データに注目
23日の外為市場は、冴えないドイツ&ユーロ圏の指標データを受けたユーロ売り以外、目立った値動きは見られなかった。米中通商協議について不透明感が漂っているとの報道があるが、中国リスクに敏感なオセアニア通貨の売り圧力がひとまず後退したこと、米株の各リスク指標(VIX / VXN)が警戒レベルを下回る水準で安定的に推移している状況も考えるならば、リスク回避ムードが高まっているわけではない。だが、焦点の10月閣僚級会議を前に流れる観測報道には注視すべきだろう。これらの内容によっては、投資家のリスクセンチメントが悪化する可能性があるからだ。また、後述する米株(S&P500指数)のボラティリティ低下もリスクセンチメントの悪化を示唆している。米中通商協議以外では、米長期金利(以下米金利)の動向が引き続き外為市場、特に米ドル相場のトレンドを左右しよう。
その米金利だが、先物市場の動向を確認すると反発基調(米債買い基調)へ転じていることがわかる。FOMC後に反発圧力が高まっている状況を考えるならば、FEDの緩和スタンスが今後も継続する可能性が高いことを米債市場の参加者は読み取っている。この米債買い圧力を後退させる要因として注視すべきは指標データである。本日は7月住宅関連指標および9月消費者信頼感指数が発表される。結果次第で米金利の変動要因となろう。米金利の動向は、ドル円を含めた主要なドルストレートのトレンド決定要因となろう。
米金利以外で注視すべき材料は、9月の独IFO企業景況感指数である。市場予想は94.4。昨日に続き市場予想を下回る内容となれば、ユーロ売り圧力が高まろう。下落トレンドが続く場合、下値の焦点は重要サポートポイント1.0920レベルの維持となろう。昨日安値1.0964の下方ブレイクは1.0920トライのシグナルと想定したい。一方、良好な独指標データが確認されるか米金利の低下基調が続く場合、まずは21日MA(1.1029前後)の突破が焦点となろう。これを達成する場合、次の焦点は1.1412(6/25高値)を起点とした短期レジスタンスライのトライとなろう。
【ユーロドル】
・ドル円のチャートポイントと米株のボラティリティ
今日のドル円は、107円台を中心とした売り買い交錯相場を予想する。上述した米指標データは金利の変動要因ではあるが、大きく変動させるほどのインパクトはない。米金利が低下基調を維持する(米債買い基調が続く)場合、ドル円は107円台の維持が焦点となろう。昨日安値107.30およびビッドが観測されている107.20を一気に下方ブレイクする場合は、107.00トライを警戒したい。このレベルにもビッドが観測されている。一方、米金利が反発するケースでは108.00トライが焦点となろう。
尚、米金利の低下圧力を高める要因として、冴えない指標データだけでなく、米株(S&P500指数)の動向にも注視したい。ボラティリティ(20日間の変動幅=標準偏差を年率換算)は再び「低すぎる水準」の6%レベルを視野に低下している。上述した通りリスクセンチメントは崩れていない。だが、ボラティリティが6%水準付近まで低下すると、その後ボラティリティが拡大する(=リスクセンチメントが悪化する)、というのは2018年以降のトレンドパターンとなっている。FEDの緩和スタンスの維持に加え、米株のボラティリティが再び高まる展開となれば、米金利には強烈な低下圧力がかかろう。このケースでのドル円は105円台を再び目指す展開が予想される。
【ドル円】
【S&P500指数とボラティリティ】
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