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今週の焦点-パウエル発言にコロナ第2波への思惑

今週も注目材料は色々あります。中でもパウエルFRB議長の言動とコロナ第2波に対する懸念が高まるかどうか、この点に注目すべきでしょう。それぞれのポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

今週の注目材料

今週は、パウエルFRB議長の言動、米欧指標データそしてコロナ第2波に注視する1週間となろう。S&P500指数のボラティリティ(20日間の標準偏差を年率換算した値)が26%台まで低下し、VIX指数は30ポイント台で小幅に推移する状況が続いている。そして、カレンシーベイシススワップ市場では、米ドルの調達コストが高まっている状況にはない。これらの状況を考えるならば、投資家心理が再び悪化しているシグナルは確認できない。
だが、先週13日、パウエルFRB議長が米国経済について厳しい見方を示すと、米株は上値の重い展開となった。そのパウエル氏は今週19日、議会証言に臨む。これまでの発言内容を踏襲する可能性がある一方、筆者は現行の政策に対して言及してくるかどうか、この点に注目している。パウエル氏が現在の財政政策および金融政策ではコロナショックに対して不十分との評価を下す場合、米株のボラティリティが拡大すると予想する。現行の政策に対する厳しい見方は、追加の経済対策に対する期待を盛り上げる要因である。この点が意識される場合、米株は上値トライのムードが高まろう。米株高の場合、外為市場では豪ドルや新興国通貨が対米ドルで堅調に推移する展開を予想する。一方、現行の政策に対する厳しい評価は、米国経済の先行き懸念をさらに高める要因ともなり得る。この懸念が高まる場合、米株は上値の重い展開が続こう。下落幅が拡大するかどうかは米指標データが鍵を握ろう。ことごとく市場予想を下回るデータが確認されるならば、経済の先行き不透明感が意識され、米株の下落幅が拡大する展開を予想する。外為市場では「米ドル高vs円高」の戦いとなろう。そして直近の動向を考えるならば、米株が崩れるケースでは円高優勢で推移すると予想する。
コロナ第2派も投資家心理を悪化させる要因である。米国の感染者数は未だ2万人前後で推移している。この状況でロシアやブラジルといった新興国では感染の拡大が続いている。アジアでは、感染拡大の封じ込めに成功したと思われた韓国で再び第2波のリスクが意識され始めている。コロナ第2波への懸念が高まる場合、外為市場では円高と米ドル高の圧力が高まる一方、豪ドルや新興国通貨は売り圧力に直面しよう。

ドル円は引き続き売り買い交錯相場を予想

今週のドル円は、レンジ内で売り買い交錯の展開が予想される。下限を106.00レベル、上限を108.00レベルと想定し、まずはトライアングルの攻防に注目したい。今日現在、短期レジスタンスラインは107.30台で推移している。このラインすら突破出来ない状況は相場の勢いが弱いことの証左である。このケースでは107円割れを意識したい。一方、このラインを突破する場合は、今月11日の高値107.76(短期レジスタンスラインの起点)レベルでの反落を意識したい。107.80にはオファーが観測されている。また、108.00にもオファーの観測あり。
107円割れでは押し目買いの水準を意識する展開となろう。今日現在、短期サポートラインは106.80-90レベルで推移している。106.80にビッドが観測されていることも考えるならば、まずはこの水準で反転するかどうかを確認したい。反転する場合、107円台の攻防へシフトしよう。逆に106.80の維持に失敗するケースでは、短期サポートラインの起点106.72およびビッドが観測されている106.50までの反落を警戒したい。

ドル円チャート

USDJPY ドル円

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