さらなる米ドル買いは米雇用統計の結果次第 / ユーロドル、ポンドドル、豪ドル/米ドルの焦点
サマリー:『外為市場は米雇用統計待ち。良好な結果ならばさらなる米ドル高を予想。ユーロドル、ポンドドル、豪ドル/米ドルの焦点は?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米雇用統計前のドル買い
昨日の外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。ユーロドル(EURUSD)は1.19を下方ブレイクし、安値1.1876レベルまで下落した。
ポンドドル(GBPUSD)も安値1.3815レベルまで下落する局面が見られた。
豪ドル/米ドル(AUDUSD)では大陰線が示現。安値0.7508レベルまで下落した。0.76レベルで連日上ヒゲが示現し戻りが抑制されてきた経緯も考えるならば、基調はダウンサイドにある。
一方、ドル円(USDJPY)は110円台で売り買いが交錯し大きな変動は見られなかった。
さらなる米ドル買いは米雇用統計の結果次第
来月2日の米雇用統計(6月)を前に米ドル買いの圧力が高まっているが、米債市場では2年債利回りや10年債利回りの上昇が抑制されている。この状況が続く限り単発の米ドル買いは見られても、持続的な米ドル買いは望めない。
米金利の動向はFRBの政策動向次第である。FRBの政策動向は労働市場の状況に左右されるだろう。この状況を考えるならば、米ドル高がさらに進行するためには、米雇用統計で順調に雇用が拡大しているかどうか?この点を確認する必要がある。
・ユーロドル(EURUSD)
再び反落基調にあるユーロドル(EURUSD)の攻防分岐は1.1800である。
5月からの下落トレンドを止めた1.1845レベル、およびフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.1835のブレイクは、1.1800トライのシグナルと捉えたい。
米雇用統計前に1.1835-45のサポートゾーンをトライする可能性はあるが、1.1800をブレイクするならそれは米雇用統計後になると予想する。
1.18ブレイクとなれば、次の焦点は1.1700のトライとなろう。
一方、上値の焦点は1.1970の攻防となろう。今月中旬にレジスタンスラインとして意識された21日EMAが1.20まで低下している。1.1970の突破に成功しても、1.20レベルで反落する展開を想定しておきたい。
ユーロドルのチャート
・ポンドドル(GBPUSD)
ポンドドル(GBPUSD)の焦点は、1.38台の維持である。1.40の節目で二度戻りが抑制された経緯を考えるならば地合いは弱い。変異型の新型コロナウイルス(デルタ株)の感染が拡大している状況も考えるならば、米雇用統計前に短期サポートラインや1.3787(6/21安値)を下方ブレイクする可能性がある。
だが、ポンドドルで注目すべきサポートポイントは、今年の3月から4月にかけて二度相場を下支えした1.3670レベルである。良好な米雇用統計が確認される場合、米金利の上昇とそれに伴う米ドル高により、この水準をトライする展開を想定しておきたい。
一方、ポンドドルの反発局面が見られても、節目の1.40を割り込んだ21日EMAや50日EMAがレジスタンスラインとして意識される可能性があろう。
ポンドドルのチャート
・豪ドル/米ドル(AUDUSD)
米株が最高値圏での攻防を維持しても、豪ドル/米ドル(AUDUSD)は0.76レベルまでの戻りがやっとの状況である。その0.76には21日EMA(今日現在0.7614)が低下している。レジスタンスラインの傾きも急になっていることを考えるならば、豪ドル/米ドルは下落のトレンドにある。
目先の焦点は、フィボナッチ・リトレースメント50.0%の水準0.75および5月からの下落トレンドを止めたサポートポイント0.7477レベルの攻防である。米雇用統計前にこれらの水準を下方ブレイクする可能性がある。
良好な米雇用統計が確認される場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準0.7381レベルを目指す展開を予想する。このレベルは昨夏、上値を抑制した経緯がある。レジスタンンスからサポートへ転換するかどうか?この点を確認したい。
豪ドル/米ドルのチャート
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