7日午後の東京外国為替市場でドル・円相場は朝方の水準よりも安い108円台前半で推移している。日本株の失速や先行き不透明な米中貿易協議、トランプ米大統領による国境の壁を巡る非常事態宣言への再言及などでドル売り・円買いが進んでいる。
午後零時53分現在、108.09円で推移している。
朝方は日経平均株価の大幅反発などでドル・円は108.60円前後まで強含んだ。しかし、日経平均が上げ幅を縮小すると、じり安となった。
日経平均株価は寄り付き早々に2万円を回復し、一時2万266.22円まで上昇した。
米中貿易協議始まる
米中政府は7日、貿易問題を巡る次官級協議を北京で開始。昨年12月のアルゼンチンでの米中首脳会談の後、電話を除く米中の直接協議は初めてのこと。米通商代表部(USTR)のゲリッシュ次席代表らが訪中している。
会議では中国の輸入拡大策や知的財産権の保護、技術移転の強要などを協議する。
12月の首脳会談では、知的財産の保護や非関税障壁について90日間の協議を実施することで合意した。期限の3月1日までに協議がまとまらない場合、米国は追加関税引き上げに踏み切る方針。両国は首脳会談で、米国が今年1月1日に中国製品2000億ドル分に課すとしていた追加関税の10%から25%への引き上げを見送っていた。
米大統領、壁問題で強気崩さず
米政府機関の一部閉鎖は3週目に入るなか、トランプ大統領は6日、向こう2~3日の協議の行方次第ではメキシコ国境の壁建設の手段として非常事態を宣言する可能性があると語った。
一方、建設費を巡る民主党との対立を解消するべく、壁をコンクリート製ではなく鋼鉄製にする可能性についても言及した。
大統領は4日、壁建設費が予算に盛り込まれなければ、国家非常事態宣言を発令して議会の承認なしに壁を建設することもできるという考えを述べていた。