豪ドルが下落、ウエストパック銀がさらに2度の利下げ予想
・政策金利、0.5%にまで下げる可能性
・対米ドルで約2週間ぶり安値
24日の外国為替市場でオーストラリアドルが米ドルに対して約2週間ぶり安値を付けた。オーストラリアの銀行大手ウエストパック銀行がこの日、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が高い失業率と低迷する賃金の伸びに対処するため、来年2月までにもう2度の利下げを実施すると予想した。
豪ドルの対米ドル相場は朝方、0.70米ドルの大台を上回る水準で推移していたが、同行の金利見通しの発表を受けて売られ始めた。豪米の金利差が拡大するなか、日本時間正午前に0.6980米ドルを一時割り込み、12日以来の安値水準を付けた。
豪ドルの対円相場にも、対米ドルでの下げが波及。朝方は75.80円付近で推移していたが、正午前に75.50円の節目を一時割り込み、18日以来の安値を付けた。
ウエストパック銀行のチーフエコノミスト、ビル・エバンズ氏は5月に中銀が6月と8月、および11月に利下げを実施する予想していた。
中銀はその後、6月と7月の理事会で2会合連続の利下げを実施。6月に政策金利のオフィシャルキャッシュレートを1.50%から1.25%に、さらに7月に1.25%から過去最低の1.00%に引き下げた。
エバンズ氏はこの日、従来の11月の利下げ予想を10月に前倒しし、利下げ幅は過去2回と同様に0.25ポイントになると予想した。
さらにエバンズ氏は、オフィシャルキャッシュレートは最終的に0.5%にまで引き下げられると予想。同氏は5月の時点では0.75%が底になると想定していた。時期については来年の2月になるとの見方を示した。
豪失業率
エバンズ氏は11月の利下げを判断する上で、豪統計局が8月15日に発表する7月の失業率が1つのカギになると述べた。
統計局が先週発表した6月の失業率は前月比変わらずの5.2%。中銀は賃金の上昇を促すには失業率を4.5%にまで引き下げる必要があるとみている。
ウエストパック銀行の金利見通しの発表後、豪10年債利回りは朝方の1.32%から1.29%に低下した。この結果、豪米の金利差が拡大し、豪ドル売り・米ドル買いにつながった。
AUD/JPY 5分足チャート (出所: IG証券)
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