ECBイベントと米指標データ
今日はECBイベントが焦点です。かなりユーロが売り込まれているため、ECBイベント後のユーロ売りは短期で終息すると予想します。しかし戻りは米指標データと金利の動向次第でしょう。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・ECBイベントと米指標データ
本日の焦点はECBイベントである。ドラギECBによる追加緩和が意識され、外為市場ではユーロ売り圧力が高まっている。この点はユーロドルやユーロ円だけでなく、直近のユーロポンドの下落でも見て取れる。5月にメイ英首相が辞任を表明して以降、政治の混迷を背景に英ポンドは対米ドル、日本円そしてユーロで下落トレンドを形成してきた。しかし、先週17日を境にユーロポンドもついに反落基調へ転じ、昨日は0.8904と6月21日以来の水準までユーロ売りが進行した。両通貨とも売り圧力に直面しているが、比較優位の観点で考えるならば、これまでの「ユーロ売り< 英ポンド売り」から「ユーロ売り>英ポンド売り」へ転換している。ユーロ相場全体がベアトレンドへ振れているこのタイミングでドラギECBが9月の追加緩和の導入に関するシグナルを発信すれば、外為市場のファーストリアクションはユーロ売りで反応しよう。だが、ユーロドルがレンジの下限1.1100、ユーロ円が心理的節目の120.00を視野に入れている状況を考えるならば、ECBの追加緩和についてはある程度市場で織り込み済み。来週にFOMCが控えている状況も考えるならば、ECBイベントを受けたユーロ売りは短期で終息すると予想する。だが、反発してもユーロ圏やドイツの冴えない指標データを考えるならば、反発は限定的となろう。ユーロドルの戻りの水準は米指標データと長期金利の動向に左右されよう。一方、ドル円も株高維持の状況下では米金利の動向次第で上値の水準が決まるだろう。米株が反落する場合は、下値トライを警戒したい。
【英ポンドの年初来騰落率】
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円は米金利にらみの展開となろう。米株は最高値圏での攻防を維持している。しかし、米金利が2.10%手前でキャップされており、この状況が続く限り108.50手前(50日MA前後)で上値が抑制される展開を予想する。米金利の上昇は米指標データ次第である。昨日に続き総じて市場予想を下回る場合は、23日安値107.80をターゲットに下値トライの展開となろう。107.90にはビッドが観測されている。一方、良好な指標データの内容が確認される場合は、上記の108.50レベルの突破と今月12日高値108.60トライを予想する。108.30から108.60のゾーンでは断続的にオファーの観測あり。
ユーロドルは、レンジの下限であり且つビッドが観測されている1.1100の維持が焦点となろう。1.1110のブレイクは1.1100トライのシグナルと予想する。可能性は低いが、ドラギECBが今回の理事会で追加緩和に踏み切ることを決定する場合は1.1100をあっさりと下方ブレイクしよう。一方、上述したとおりユーロ売りが短期で終息する場合、戻りの水準は米指標データと金利の動向で決まろう。本日の上値ターゲットは1.1180および1.1200を想定する。これらの水準にはそれぞれオファーが観測され始めている。
【ドル円】
【ユーロドル】
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