焦点は米株の調整
米中会談を前に各市場は次第に様子見ムードとなっています。このような状況の中、外為市場のトレンドは株式の動向、特に米株の動向に左右されると思われます。詳細は今日のマーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・焦点は米株の調整
ムニューシン米財務長官は26日、米中通商交渉は90%程進展していたし(We were about 90% of the way)、合意に至る道筋がある(there’s a path to complete this)と述べた。この発言を受け外為市場では、中国経済との結びつきが深いオセアニア通貨や新興国通貨買い圧力が高まった。米中対立リスクがこのまま解消するような感じを受けるが、トランプ米大統領は中国の出方次第で関税をさらに引き上げる可能性について言及し続けている。よって、トランプサイドが現時点で満足するような回答を中国サイドが示さない限り、一転してリスク回避圧力が高まる可能性があることを常に意識しておきたい。
米中首脳会談を前に各市場は次第に様子見ムードとなっている。特にその傾向が見られるのが米株である。ベンチマークのS&P500は最高値更新後、調整相場へ転じている。トランプ米政権が誕生した2017年以降のトレンドパターンを確認すると、20日移動平均線(MA)からプラス3.0%程度かい離すると相場が反落するパターンが見られる。直近も同様の展開となっている。テクニカル面でも米株は反落のタイミングにあることを考えるならば、米中首脳会談の結果が出るまで米株の上値が抑制される可能性が高い。米金利の低下傾向が続く状況を考えるならば、ドル円の戻りは限定的と予想する。一方、ユーロドルや新興国通貨は、米金利の動向次第でトレンドが左右されよう。米金利のトレンドは指標データの内容に左右されよう。
【S&P500】
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円は、108.00前後で上値が抑制される展開を予想する。ムニューシン発言をきっかけとした円安トレンドが継続しても米株の反発が無い限り、オファーが観測されている107.90-108.00での反落を警戒。突破に成功しても21日MA(108.14前後)までの反発が限界と予想する。108.10にもオファーの観測あり。一方、下値の焦点は、昨日安値107.08の維持となろう。25日から現時点までの高安のリトレースメント23.60%(107.59前後)、38.20%(107.43前後)の水準では押し目買いが入る経緯が見られた。
ユーロドルだが、1.1340台で長い下ヒゲが示現し、連日サポートされた状況と通貨オプション市場で短期リスクリバーサル(1週間)が上昇基調を維持していることを考え、引き続き1.14台の再トライを予想する。上値の焦点はプロジェクション100.00%の水準1.1412で変わらず。1.1410にはオファーが観測されている。一方、下値の焦点は上述した1.1340の維持となろう。1.1330にはビッドの観測あり。
【ドル円】
【ユーロドル】
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